昨夜のNHKスペシャルで、佐藤栄作政権のとき、日本が核保有を目指して西ドイツと極秘協議を行っていたことが詳しく報じられていました。
1964年の中国の核実験成功に危機感を抱き、日本が核保有する具体的なロードマップを作成したうえで、国際的非難をかわすためか、西ドイツに日本側から協議をもちかけたようです。
核兵器、二国で持てば、怖くない、ということでしょうか。
当時の外務省作成の報告書によれば、少数の小型原爆を開発することは容易である、とのことでした。
そこで、私はある重大な疑念を抱きます。
つまり、もう保有しているのではないか、ということです。
あるいは完成直前で、ペンキを一はけ塗れば完成、という状態で、何十年もそのときを待っているのではないでしょうか。
番組では元外交官が、外交には必ず裏があり、ダーティーな面に力を入れなければ、国家としてやっていけない、と話していました。
佐藤栄作といえば、非核三原則を掲げ、ノーベル平和賞をもらった人物です。
そのご当人が、日本は超大国を目指し、独自に核開発をすべきだと考えていた、と西ドイツの文書に記載されています。
番組によると、その後日本はアメリカの核の傘に入ることを選択し、そのためアメリカが嫌がる核軍縮を求める国連決議にほとんど反対もしくは棄権したと言います。
またアメリカは、中国の核武装を知ったとき何よりも日本の核武装を怖れ、核拡散防止条約を各国と結び、日本を牽制したそうです。
日本に住んでいると、なぜ日本の軍事力増強がそんなに世界を恐れさせるのか不思議です。
明治以降、有色人種として唯一、帝国主義の大国にのし上がり、挙句の果てには日本もろとも世界中を焼き尽くした行動が、恐怖を与えるのでしょう。
日本の自衛隊は世界有数の強力な軍隊ではありますが、専守防衛という敗北主義的な国是を掲げているため、極めていびつなものです。
日本領空に飛来した敵機は落とせるが、敵が自国に逃げ帰ったら黙って見逃すというのでは、体にたかった虱を一つづつ潰すだけで、消毒を禁じられているのと同じこと。あまりにも効率が悪いというものです。
NHKスペシャルを見て、憲法がどうちゃら平和がかんちゃらと、魔術的な思考に陥らず、世界の標準(それが悪だとしても)にしたがって外交や国防を考えることが肝要だ、と痛感させられました。
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