組織というのは理不尽なものであり、努力をしたから高い報酬を得られるわけではなく、高い貢献をしたから出世するというものでもありません。
運と引き、最後に実力でしょうかねぇ。
最も私のように、精神障害で三度も長期休暇を取ったような者は、そもそもそういう世界にはおらず、戦力外なので、客観的に職場のドタバタを見ることができ、まことに面白いかぎりです。
言ってみれば、掃除のおばちゃんがそれなりの席に座っているようなものでしょうか。
家政婦は見た、ならず、精神障害者は見た、といったところでしょう。
以前、ドイツの社会学者が、努力-報酬不均衡モデルという理論を発表しました。
要するに努力の量や質が過大であるのに、報酬や人事評価などが低い場合、サラリーマンはストレスフルになる、ということを、膨大なデータをもとに実証してみせたわけです。
でも、そんなの当たり前ですよねぇ。
わざわざ証明しなくたってねぇ。
ヨーロッパ大陸の人々というのは、なんでも証明しないと気が済まないのですねぇ。
私が今在職している職場はそうでもありませんが、前に所属していた機関は、厭らしい出世争いが行われていました。
運と引きと実力の中では、引きが手っ取り早く効果をあげられます。
つまり上位の職階にあり、さらに上にいきそうな人に気に入られて、引いてもらおうとするのです。
毎晩のように酒席を伴にしたり、土日にはゴルフや麻雀、よくそこまでできるなあ、死ねと言われれば死ぬんじゃないか、とさえ思いました。
私は今となっては味噌っかすなので、じつに気楽です。
残業は一切しないし、ストレスがかかりそうな仕事は拒絶します。
職場の宴会も、遠慮しています。
そうするとだんだん職場内で仙人のような気分になってきます。
大勢いる年下の管理職たちは、私を化け物のような目で見て、敬遠しているようです。
あるいは羨ましいのかも。
面倒な付き合いをせず、責任もなく、調子を崩したら何カ月でも休んじゃう。
気に食わないことがあれば相手の役職など関係なく叱りつけちゃう。
ていうか役職が上になればなるほど叱りつけるのは快感です。
20年もかけて、高い給与を払って、色々な研修を受けさせて、職場はモンスターを作っちゃったんですねぇ。
私はクレームをつけてきた客に逆切れする、真なるモンスター社員です。
なんか理由をつけて、解雇したほうが組織のためなんじゃないでしょうかねぇ。
私の存在が、職場でモラルの低下を招くような気がします。