神はいなかった

その他

 今日は現代史において、記念すべき日です。

 人類が初めて宇宙へと飛び立った日。


 1961年4月12日、ソビエト連邦の宇宙飛行士、ガガーリンが大気圏を抜け、宇宙へと。
 宇宙への有人飛行をめぐって激しく先陣争いをしていた米国はさぞかし悔しかったことでしょう。

 ガガーリンと言えば、わが国では「地球は青かった」という言葉が有名です。
 しかしその他の国では、この言葉はあまり知られていないようです。
 むしろ圧倒的に諸外国の人口に膾炙しているのは、「神はいなかった」というもの。

 私たち日本人からすれば当たり前すぎる言葉ですが、唯一絶対神の存在を信じている人々にとっては、衝撃的だったようです。

 それにしても宇宙へ飛べば神の遍在を感じられると思いこむなんて、幼稚と言おうか、単純と言おうか。
 神という概念はもっと形而上の問題であるはずですがねぇ。

 しかし、立花隆「宇宙からの帰還」によれば、米国の宇宙飛行士の多くが、帰還後、神の遍在を感じたとかで、新興宗教を起こしたり、LOVE & PEACEみたいな運動に加わったり、奇妙な方向に進んでしまうというから不思議です。
 キリスト教原理主義者が多い米国と、宗教を否定する共産国家、ソビエト連邦との違いでしょうねぇ。

 ガガーリンと言う人、地球に帰還後は、当然ながら英雄扱いで、なかなか新しい環境に馴染めなかったと聞き及びます。

 人類初の有人宇宙飛行を成功させたわずか7年後、飛行訓練中に事故死しています。
 まだ30代半ばだったとか。

 宇宙へと飛び立った時、どんな感じがするんでしょうねぇ。

 1969年にアポロ11号が月面着陸した時、当時のNASAの幹部は、「50年後には月のホテルでカクテルを飲んでいるだろう」と豪語したそうですが、44年後の今、露ほどもそんな気配はありません。

 情報関係の進歩は驚愕すべきものですが、金食い虫の宇宙開発はなかなか進まないようです。

 できることなら、私も死ぬ前に、宇宙へと飛び立ってみたいものです。

宇宙からの帰還 (中公文庫)
立花 隆
中央公論新社


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