静かな夜

その他

 金曜日の夜。
 同居人は忘年会で、一人、静かな夜を過ごしています。

 このところ長い間軽いうつ状態が続いていましたが、カリフォルニア・ロケットがやっと効いてきたのか、少し上がってきて、穏やかな気持ちです。

 月曜日に休暇を取ったので、今週は3連休。
 それも穏やかな気持ちの一因かもしれません。

 明日は仲人夫妻、私たち夫婦、それに私の母の五人で昼から忘年会。
 仲人とは不思議な縁で、長い付き合いになっています。

 初めて仲人と顔を合わせたのは、今の職場の採用面接。
 仲人は面接官でした。
 私と同居人はこの人に採用され、私と同居人は出会いました。
 それが28年前。

 私は22歳でした。
 同居人は一浪していたため、23歳。

 その後結婚するに際し、別の機関に異動していたかつての面接官に仲人を頼んだのでした。
 それが21年前。

 仲人はちょっとした不正のため、退職することになりましたが、再就職を果たし、私たちは時折会って酒を飲む、年の離れた友人になりました。

 その私は50歳になりました。
 当然ながら、同居人は51歳。
 仲人は67歳。
 母は79歳。

 平均年齢の高い忘年会です。

 若いころ50歳にもなれば、悩みなんて無くなるのかとって思っていました。

 論語でも、五十にして天命を知る(知命)とか申します。

 しかし私は、天命など知るはずもなく、今も惑いに惑っています。

論語 (岩波文庫)
金谷 治
岩波書店

 仲人が私と同居人を採用してくれなければ、今のような生活はなかったわけですから、仲人には感謝しなければなりません。

 知命を迎えてなお、不惑ですらない私がどこへ向かうのか、仲人が導いてくれるかもしれません。