文学

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1Q84

先日、村上春樹のベストセラー「1Q84」を読みました。 同じ作者の手による幻想文学としては、「羊をめぐる冒険」や「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のほうが小説としての完成度は高いように思います。 今回の作品は、より思索的というか、哲学的という感じがします。 どこか思わせぶりなような。 しかし私は、千ページにも及ぶ長編を、二日で読んでしまいました。 読ませる力は圧倒的です。 作家志望の予備校講師と、元同級生の女テロリストの話が、並行して描かれます。二人は最後まで直接からむことはありませんが、互いを思いながら、それぞれの方法で、あるカルト集団と戦います。 石川淳を思わせるような、精神の運動が描かれます。 一読の価値はあるというべきでしょう。1Q84 BOOK 1村上 春樹新潮社1Q84 BOOK 2村上 春樹新潮社1Q84 BOOK 3村上 春樹新潮社1Q84 1-3巻セット村上 春樹新潮社
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三行書き

三行書きの短歌は、石川啄木が有名ですね。 昨日の新聞に、啄木の親友で、新聞記者であり、歌人でもあった土岐善麿という人が紹介されていました。 じつは三行書きの短歌を始めたのは、啄木ではなく、土岐善麿だったそうです。知りませんでした。 その人の歌です。 哀しきは、 職業のある、その事を幸福とする、 いまの、心かな。 サラリーマンとして働きながら歌作を続けた歌人らしく、勤め人の哀感がよく出ていますね。 私は、毎朝、職場に行くのが嫌で、今日こそ休もう、今日こそ休もうと思いながら、出勤しています。 そのとき言い聞かせるのが、「今のご時勢、仕事があるだけありがたい」という言葉です。 それはそうなのですが、そう思うことは哀しいですね。 生活の糧を得るのが仕事です。 仕事をするのは生きるための手段であって目的ではありません。 そのことに感謝する、というのは何か変ですね。 勉強したり、面接を受けたりして、自分の力で得た仕事です。 仕事があることが有難いのではなくて、給料をもらえることがありがたいのです。
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戦国イケメンパラダイス

NHK大河ドラマ「天地人」に、いわゆる「腐女子」が萌えている、と聞きました。 「腐女子」とは青少年の同性愛を扱った漫画や小説を愛好する女性だそうです。年をとると「貴腐人」になり、さらに進むと「汚超腐人(おちょうふじん)」と呼ばれるそうです。 私は、古くは「モーリス」「覇王別姫」、近頃では「ブロークバックマウンテン」など、男性同性愛を扱った作品をよく見てきました。 そこには、映像美だけでなく、差別の問題や、社会性、愛情など、様々な問題が浮きぼりになっているからです。 しかし、「腐女子」は、美的なものと、性愛だけを求めているようで、違和感を感じます。 ある人に言わせると、「天地人」は最高にエロいそうです。
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遊び

明日から5連休です。気もそぞろ、仕事に身が入りません。 私は、遊びや、ごろごろ気ままに過ごすことが好きです。努力するのは、面倒くさい。仕事はちゃっちゃっと片付けて、遊びたいものです。 「梁塵秘抄」に、有名な歌があります。 遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけむ、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ この歌は、色々な解釈がなされてきましたが、素直に、子供が遊ぶ姿を大人が微笑ましく見ている、と解するのがよいように思います。 大人になると、飲む打つ買うとか言って、遊びにネガティブなイメージがありますが、スポーツや観光、読書や観劇も遊びですね。 近頃はカラオケでがなりたてるのを好む人も多いようです。いわゆる「ヲタク」の人も、大した趣味人でしょう。 仕事に打ち込んで夢中になる、というのはたいへん幸せなことですが、大方の人は仕事なんかせずに、ふらふらと遊んで過ごしたいものだと思っているのでないでしょうか。少なくとも、私はそうです。 夏目漱石が描いた「高等遊民」というのが、理想でしょうか。
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物狂い

季節はもう、春から初夏に向かっているようです。昨日は暑かったですね。 春といえば、春の珍事やら、変質者が出るやら、浮かれた物狂いの季節でもあります。私は、物狂いは春の終わり、初夏を直前にして現れるように思います。 いい年をしたアイドルが、全裸で騒いでいたなどというニュースは、まさにそれです。  「徒然草」第十九段に、 「ひときは心も浮きたつ物は、春のけしきにこそあめれ」とあります。昔から、春になると人は浮き立つのですね。 与謝蕪村に、 「公達に 狐化けたり 宵の春」 という句があります。 春の宵、貴人を見かけたが、あれは狐が化けているのだろう、といったところでしょうか。 なんとなく浪漫的で、幻想的な感じがして、物狂いの春にぴったりですね。 また、春は悠然としたイメージもあります。 同じ蕪村の句で、 「春雨の 中を流るる 大河かな」 というのもあります。 雨が降っても、そんなことには構わず、悠然と大河が流れている、という感じです。 私は東京の東端を流れる江戸川のほとりで生まれ育ちました。春の雨を見ると江戸川を思い浮かべます。 それは物狂いとは対照的な光景です。
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