文学

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春の雨

今日は4月下旬になろうというのに、冷たい雨が降っていました。 日曜日だというのに、家に閉じ込められて、なんとなく憂鬱です。 日曜日の夕方の憂鬱からは、サラリーマンを続けているかぎり逃れられない宿命であるかのごとくです。 でも考えてみれば、幼稚園に通っている頃から、日曜日の夕方はなんとなく気が沈みました。 次の休みまで一番遠い頃合いですから、致し方ありません。 もっとも大学生の四年間だけは、そういうことは無かったですねぇ。 自由になる時間がたっぷりあり、あまり大学には行かずにふらふらしていましたから。 私の今の心境からは程遠い、敬愛する与謝蕪村の句でも拾ってみました。  春の夕(ゆふべ) 絶えなむとする 香(かう)をつぐ  夕闇が迫ってきた、清涼殿では、女房たちが、絶えようとする香をついでいる。何とも優艶な風情である、といったほどの意かと思われます。 ここには春の濃厚な憂愁の気配は感じられません。 こんな風に優雅に春の夕べを過ごすことができたらどんなに良いでしょうね。 春雨や ものがたりゆく 簑と傘 こちらも与謝蕪村の句です。 こちらはほのぼのとした感じが漂いますね。 春雨の中を何を語り...
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ムカデ人間2

私はこれまで、数多くの残酷な映画や悪趣味な映画を観てきました。 しかし、今日DVDで観た作品ほど、悪趣味な映画を観たことがありません。 「ムカデ人間2」です。  映画「ムカデ人間」の大ファンで、デブでチビで禿げの、いかにも気色悪い外見の若者、マーティン。 彼は「ムカデ人間」にのめり込むあまり、自分も人間を口と肛門で繋げたいと考えるようになります。 「ムカデ人間」も悪趣味ではありましたが、マッド・サイエンティストを主人公にした映画の作法にのっとり、そこには不思議な美的映像がありました。 ハイター博士はシャム双生児の分離手術の世界的権威であり、有能な外科医です。 周到に計画を練り、完璧に3人の人間を繋げてしまいます。 そこに警察が絡んできたり、ストーリーもよく出来ていて、悪趣味なりに観られる映画でした。 しかし、マーティンは医学の知識はなく、ただ巨大なホチキスで12人もの人間を口と肛門で繋げてしまうのです。 しかもマーティンは一言もしゃべりません。 不満な時には唸り、怒った時には叫び、12人を繋げた瞬間には歓喜のあまり高笑いしてオーケストラのBGMのもとに踊りまわります。 これと言った伏線...
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Friday  Night

やっと金曜日の夜を迎えました。 嬉しいですねぇ。 今週も5日間、色々ありました。 栗焼酎をやりながら、この記事を書いていますが、酒の味が一段上がるというものです。 白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしずかに 飲むべかりけり 私が好む若山牧水の代表的な和歌です。 秋でなくとも、独り飲む酒は、静かがよろしいようです。 かつて、狂乱のバブルの頃、花金だとか言って、金曜日の夜はすべからく夜の町に繰り出すべし、という風潮がありました。 それをしない者はさびしいやつだとの謗りをまぬかれませんでした。 愚かなことです。 毎週毎週金曜日だからと言って遊びの予定を入れるなど、狂気の沙汰と言うべきです。 なんとなれば、開放感に浸れる日には、独り静かに過ごすことこそが、最も贅沢な時間の過ごし方だからです。 でも当時は競うように予定を入れている愚か者がたくさんいました。 私は密かにそんな連中を冷笑し、独り、静かに過ごすよう努めていました。 また、当時絶大な人気を誇ったDREAMS COME TRUEは、「決戦は金曜日」という馬鹿げた曲を歌って大ヒットを飛ばし、世の多くの女性を惑わせました。 すなわち、金曜...
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浮世は憂き世

散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき  「伊勢物語」に見られる和歌です。 桜は命が短いからこそ良いというわけで、それが憂いを帯びながら無常なこの世を象徴しているというわけでしょう。 昔から、浮世は憂き世と申します。 学生時代はこの世はパラダイスに見えましたが、それは親の庇護のもと、それこそ浮世離れした学問にはげんで、しかもたっぷりと自由な時間があればこそ。 ところが就職した途端、この世は長すぎる地獄であることに気付きます。 自力で生きるというのはそうしたことです。 今日は非正規雇用の女性ばかり5人の部署から、泣きが入りました。 彼女たちの直接の上司への愚痴を、一時間以上聞かされました。 彼女たちの上司というのは、私と同じ職階にあり、年もほぼ同じ男です。 そやつが困ったちゃんであることは、職場では有名なこと。 私に愚痴をこぼされても仕方ないのですが、私を信頼して泣きを入れてきた彼女たちの心情を思うと、いてもたってもいられず、私と彼の共通の上司である者を別室に呼び出して、危機的な状況を訴えました。 すると上司は、うすうすは知っていた、今後事務体制の改善を考え、原...
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少女アイドルの自殺

1986年の今日、4月8日、当時少女アイドルのトップを走っていた岡田有希子が所属事務所が入っている四谷のビルの屋上から投身自殺を遂げました。 当時私は高校2年生で、とくだん彼女のファンであったわけではありませんが、ずいぶん驚いたことを覚えています。 その後しばらく、彼女の映像や歌は、一切メディアに登場することはありませんでした。 というのも、彼女のファンが何人も後追い自殺し、メディアで彼女を取り上げることはタブーとなったのです。 幼少期からアイドルになることを夢見、両親の猛反対を押し切ってオーディションを受けてメジャーデヴュー。 1984年には新人賞を総なめにし、本格派の少女アイドルとして、順調なスタートを切ったのでした。 しかし、しだいにテレビで見る彼女からは、表情が消え、無理やり貼り付けたような不自然な笑顔で歌う姿は、痛々しくもあり、悲劇の予兆を感じさせました。 週刊誌などでは、俳優の峰岸徹に恋愛感情を抱きながら、峰岸徹からは可愛い妹分としてしか遇されず、失恋したと思い込んで自殺した、という話が実しやかに流されました。 峰岸徹自身、インタビューで、岡田有希子が自分に対して単なる兄貴...
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