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文学

夜のピクニック

昨日は一昨日と打って変わって静かに読書をして過ごしました。 恩田陸の「夜のピクニック」です。 この人はミステリーやホラーの作家というイメージを漠然と持っていましたが、「夜のピクニック」はいわゆる青春小説と呼ばれる分野かと思います。夜のピクニック(新潮文庫)恩田 陸新潮社 田舎町の進学校、北高。 ここでは1年生から3年生、全員が参加する奇祭、歩行祭が毎年行われています。 朝8時に学校を出発し、途中で休憩や2時間の仮眠を挟んで80キロの道のりを翌朝8時までに歩き通すという過酷なものです。 しかし、ヘトヘトになりながらも達成感があるらしく、多くの生徒は歩行祭の実施を支持しています。 ただ歩くだけで何の事件も起こらないのですが、歩行中に生徒達の間で交わされる会話が面白く、文庫本で447ぺージの作品を一気に読んでしまいました。 最後の学校行事である受験を控えた高校3年生の数人を主人公にした物語です。 私はもちろん夜通し歩くなんて体験はありませんが、この小説を読んで、何となく懐かしいような、ノスタルジックな気分に浸りました。 近くにいなければ忘れられる。忘れられればいないのと同じ。 こんなフレーズ...
その他

異動

昨日、10月1日職場内の異動が示されました。 6月17日という中途半端な時期に私の部署の職員が定員削減になったばかりで青息吐息なのに、またもや1名削減となりました。 立ち直れないくらいショックです。 私を辞めさせたいとしか思えません。 しかしそうは言っても勤め人。 上層部が決めてしまった人事に何を言っても切ないばかりです。 もう少し頑張って、どうにもお手上げとなったら、15年ぶりの病気休職もやむ得ないかと思っています。 精神科医はいつでも診断書を書く、というか休めと言っていますし。 で、残暑厳しい今日という休日、少し歩き回って気分転換をしたいと、冷房の効いた巨大ショッピングモール、イオン幕張新都心店に出かけ、ペットショップで犬や猫を見たり、北欧家具の洒落れた店を冷やかしたり、喫茶店で紅茶を飲んだりして1日を過ごしました。 少しだけ、気分転換になったような気がします。 この三連休、憂色濃いものではありますが、楽しみたいと思っています。
その他

寂しい

今日は同居人が休日出勤を命じられたため、独りで過ごす日曜日となりました。 こんな日、普段私はどれほど同居人に依存しているかを思い知らされ、愕然とします。 奥様が留守だと嬉しいと言う中年男性のほうが多いというのに。 お昼は近所のあっさり系ラーメン屋で塩ラーメンを食したのですが、店に向かう一時間ほど前から、食前酒と称して禁断の昼酒を呑んでしまいました。 寂しさゆえだと思います。 食前酒を飲むと食事が美味しく感じられることは確かですが、昼酒は変に効きます。 実際、今日はラーメン屋から帰宅して2時間も昼寝してしまいました。 晩御飯には鰹のたたきと蛸ぶつ、それにフルーツトマトと枝豆を買ってあります。 呑みメニューです。 晩も吞んでしまうんでしょうね。 同居人と一緒に過ごす休日であれば、昼酒を呑むのは正月と花見の時だけです。  こんなことでは、同居人に先立たれたなら、私は生きていけない気がします。 江藤淳のようなことにならなければ良いのですが。
その他

幸せ

待ちに待った土曜日。 今日は読書などしてのんびり過ごそうと思っていたのですが、同居人がLOFTと無印良品に行きたいと言います。 これはすなわち、そごう千葉店に行きたいということ。 LOFTと無印良品の両方があるからです。 少々暑くはありましたが、車で行けばどうということも無いので、気分転換に出かけることにしました。 10時45分に出発して11時には着いてしまいます。 少々早かったですが、寝坊して私も同居人も朝食を摂っていなかったため、昼飯にしました。 いつもの椿屋茶房のビーフカレーのセットです。 食後も紅茶を飲みながらダラダラして、2時間もお店に居座ってしまいました。 店外で待っていた方々、ごめんなさい。 10階にある飲食店街からエスカレーターで1階降りては店を冷やかしを繰り返し、2階に辿り着くまで2時間かかってしまいました。 2階の喫茶店で一休み。 珈琲好きだったのが、なんだか珈琲を飲むとドキドキするようになり、最近はもっぱら紅茶です。 で、恒例のデパ地下のお弁当を購入して帰りました。 こういう何ということもない土曜日を、何ということもなく過ごせるのが幸せというものなのかなと思いまし...
文学

地球星人

かねて読み進めていた村田沙耶香の「地球星人」を読み終わりました。 この人の小説を読むのは「コンビニ人間」、「消滅世界」に続いて3冊目です。 「コンビニ人間」や「消滅世界」はジェンダーレスの世界を描いていて、それだけでも世の中の常識から反する、いわば反社会的な作品でした。 しかるに「地球星人」はそんな生半可な小説ではありません。 人間社会の全てを否定しているかのごとくなのです。地球星人(新潮文庫)村田沙耶香新潮社コンビニ人間 (文春文庫)村田 沙耶香文藝春秋消滅世界 (河出文庫)村田沙耶香河出書房新社 最初は世の中というものに違和感を持つ少年少女の淡い恋物語の様相で始まります。 その違和感はますます大きくなり、長じて、人間社会を工場と呼ぶにいたります。 勉強を頑張り労働する、女の子を頑張り生殖する、この二つが地球星の成り立ちであり、それは社会というより工場だというわけです。 それに順応して何の違和感もなく生きるのが地球星人であり、違和感を持つ者は異星人ととらえます。 そこでは価値観が錯綜し、逆転し、また反転します。  さらには殺人、人肉食までもが正当化されます。 それは彼らの合言葉、異星...
文学

おじさんはどう生きるか

今朝は6時半に起きて生卵と納豆で白飯を食いました。 その後日曜日の朝恒例の洗濯。 朝が弱い同居人は夢の中です。 午前中はテレビなど観てだらだら過ごし、昼は近所の蕎麦屋で鴨せいろを食しました。  その後床屋で散髪しました。 午後は読書。 軽い物が読みたいと、かねて購入してあった松任谷正隆の「おじさんはどう生きるか」というエッセイ集を読みました。おじさんはどう生きるか (中公文庫)松任谷正隆中央公論新社 私はこの人、松任谷由美の旦那で音楽関係の仕事をしているとしか予備知識はありませんでした。 しかしこのエッセイを読むと、文章を書いたり、音楽劇の演出をしたり、バンドをやったりと多彩な活動をしていることを知りました。 内容は偏屈なおっさんの繰り言という感じで、我が意を得たり、と思うことが多くありました。 そのなかに、寂しがり屋の一人好き、という言葉がありました。 こういう感覚、誰にでもあると思います。 それをこういう言葉で表すところに、この人のエッセイの神髄があるように思います。 また、人間ドックをやった。どうやら小さな動脈硬化があるらしい。おいしいものを食べて早く死ぬか、まずいもので長生きす...
その他

台風

台風10号の影響か、今日の千葉市は突如雷を伴う大雨になったり、すぐに止んだり、奇妙な天候となっています。 こういうのは珍しいのではないでしょうか。 もう5年も前になるでしょうか、台風で停電し、信号機が止るという異常事態が発生しました。 あの時は本当に怖かったですねぇ。 出勤時はなんともなかったのですが、帰りにそういう目にあいました。 台風というのはひどい惨禍をもたらしますが、どこか気分を高揚させる作用があるように思います。 往年の名作、「台風クラブ」では、台風の晩にバカ騒ぎをする中学生たちが描かれています。台風クラブ工藤夕貴 そうはいっても、それほど大規模な台風で無いからそんなことが出来るので、激甚災害となったらそんな悠長なことはやってられません。 今度の台風はあまりにも遅く、いつまで経っても関東にやってきません。 いっそ早く来て早く行ってしまってほしいものです。
文学

アーモンド

昨日は珍しく、韓国の小説を読みました。 翻訳部門で本屋大賞を受賞した「アーモンド」です。アーモンドソン・ウォンピョン祥伝社 生まれつき偏桃体(アーモンド)が極端に小さく、そのためにほとんど感情を持たず、他人に共感することもできない怪物と呼ばれる少年と、逆に感情の塊のような粗野で乱暴な不良少年との不思議な交流を描き、それぞれの少年が少しづつ成長していく過程を描いています。 私は「箪笥」や「半地下の家族」などの名作映画を作り出した韓国のエンターテイメント作りの巧妙さに惹かれますが、小説は読んだことがありませんでした。 韓国には著名な古典文学も無く、文学不毛の地だと思っていたのです。箪笥<たんす>(字幕版)イム・スジョンパラサイト 半地下の家族 (字幕版)ポン・ジュノ しかしこの小説を読んで、それは私の誤解であったことに気付きました。 「アーモンド」では、恐怖や怒り、愛や喜びといった感情とは何なのか、心と脳の関係は、といった問題が感情の無い少年の目線で語られます。 16歳の少年が少しづつ感情の芽生えを見せるのですが、20歳になった時、30歳になった時どのように変化しているのか切実に知りたいと...
その他

診察

昨日は4週間に一度の精神科への通院日でした。 二つの役職を兼務することになったことへの不安を訴えました。 薬を大量に飲んでいますが、その内の1種類を切り、別の薬に変更することになりました。 効いてくれれば良いのですが。 精神科は千葉駅から徒歩10分弱の所に立地しています。 私が住まう地域の最寄り駅から千葉駅までは6分。 通うのにストレスはありません。 診察は17時からで、薬局で薬を貰ったのが17時40分。 夕飯にすることにしました。 千葉駅近くのイタリア料理店で一杯やりました。 各種のつまみを食い、ビールとワインをしこたま飲み、最後はマルゲリータで締めました。 好い週末だったと思います。 ただし、新しい薬が効いてくれれば、という条件付きで。
その他

55歳

今日は私の誕生日。 55歳になりました。 ひと昔前なら定年退職する年齢です。 この年まで大病せずに生きてこられたことに感謝しなければなりません。 近頃同世代の友人や同僚が病死することが増えてきましたから。 だからというわけではないですが、上野千鶴子という有名なフェミニストの闘士の手に依る「おひとりさま様の老後」という本を読みました。 思い込みが激しく、なんとなくいけ好かないと思いながら、なんとなく読んでしまいました。 結婚していようが独身だろうが、子供がいようがいまいが、結局人は一人で死んでいきますからおひとりさまの老後 (文春文庫 う 28-1)上野 千鶴子文藝春秋 日々憂鬱な仕事にいそしんでいるわけですから、今日くらいはということで、同居人と二人、特に予定は無かったのですが、休暇を取りました。 雨模様でもあり、近所のイタリア料理店に出かけた以外、家でのんびりと過ごしました。 実家の母から誕生日恒例の特大の国産高級鰻が届きました。 例年これを温め、わさび醤油で白焼きにして食べたり、タレをかけて蒲焼にして食べたりします。 有難いことです。 55歳、もっと精神的に落ち着いた大人の男になる...
文学

夜行秘密

今日はとても魅力的な小説を読みました。 「夜行秘密」です。夜行秘密カツセマサヒコ双葉社 作りは、いわゆる群像劇になっています。 登場人物が次々と一人称で告白し、それがやがて一つの物語になっていく、という。 天才映像作家、その熱狂的なファンの女、MVを作ってもらうことになった新人アーティスト、新人アーティストの恋人、天才映像作家のマネージャーを務める美女など。 それらの人々がそれぞれの立場で告白し、それらが大きなうねりと小さな誤解とを生んで、悲劇的な物語へと昇華します。 物語の終わりが近づいて、もう新人ではなくなったバンドのヴォーカルが独白します。 おれが思い出すのは大抵、楽しかった記憶とかじゃなくて、後悔の記憶だ。あの時、ああしていれば良かったと、記憶を巻き戻してみては、選ばなかった方の人生を想像してしまう。どうしても輝いて見えるBルートを想像しては、そっちの未来を願ってしまう。 非常に印象的です。 おそらく、後悔の無い人生なんてあり得ないと思います。 あの時、こっちではなくてあっちを選んでいたら、と空想するのは誰にでもあることです。 私など、そんなことがあまりにも多くて、後悔と言われ...
散歩・旅行

日本の職人

昨日はそごう千葉店に出かけました。 家にいてもクサクサするし、遠出は面倒くさいということで。 気分を上げるため、濃紺の麻の着物で出かけました。 この着物、極めて肌触りがよく、涼しいので気に入っています。 11時半に到着し、そごう千葉店では馴染みの喫茶店でビーフカレーとサラダと冷製スープのセットを頼み、食後に紅茶を楽しみました。 最近、珈琲を飲むとドキドキするようになり、紅茶を飲むようになりました。 加齢に伴う嗜好の変化でしょうか。 食後に無駄話などして、お店を出たのが13時。 お昼に90分もかけるなんて休日ならではの贅沢です。 その後6階催事場で催されていた「日本の職人」を観に行きました。 御琴や三味線、尺八など和楽器の店があって、御琴には100万円以上の値が付いていてびっくり。 どんな人が買うんでしょうね。 その他鎌倉彫やら南部鉄器やら藍染やら着物やら漆器やら、多くの我が国が誇る職人技を見せてくれました。 冷やかすだけで何も購入する予定は無かったのですが、印傳の長財布に興味を持ちました。 見れば見るほど興味が湧き、ついに購入。 どれを購入するかで迷いに迷ったのですが、下の写真の物を購...
文学

一人称単数

昨日から観測史上最大の大型台風が関東、特に千葉県と茨城県を襲うとの報道が繰り返し流されています。 夏休みは昨日で終わり、今日から出勤の予定でしたが、安全な建物から出ずに外出を控えろ、とのことでしたので、大事を取って今日は急遽休暇を取ることにしました。 リスクが高いことを承知で出勤するなんて馬鹿げていますから。 で、小説を読みました。 村上春樹の短編集「一人称単数」です。一人称単数 (文春文庫)村上春樹文藝春秋 この人の書いたものはノンフィクション以外すべて読んでいると思っていたのですが、偶然本屋で見つけて、購入しました。 村上作品は長編が出ると大騒ぎとなり、書店に長蛇の列が出来ることがほとんどですが、短編集の場合そういった現象が起きないため、見過ごしていたようです。 この作者にしては珍しく、私小説的な作品が多かったように思います。 もう70代を迎えることから来し方を振り返るような作品が書きたかったのかもしれません。 それは筆の衰えと言うより、手慰みのような、独特の味わいがあります。 長編を得意とする作家ですが、こういう物も良いと思います。 短歌を詠む女性との一夜をつづった「石のまくらに...
社会・政治

呪う

今日は我が国が連合軍に降伏することを全国民に知らせる玉音放送が流された日です。 一般にこの日を以て終戦と言うべきか敗戦と言うべきか、とにかく戦争が終わった日とされます。 国民は疲弊しきっていたでしょうから、内心ほっとしたという人も多いでしょう。 また、大日本帝國は無敵であって、敗れるはずがないという信念を持って生き続けてきた人々にとっては屈辱の日だったでしょうね。 戦後79年が経って、もはや太平洋戦争は歴史上の事件となりました。 今は多分、次の戦争の戦前なのだろうと思います。 戦争が悪であることは誰もが承知していますが、仮想敵国が何がなんでも戦争で相手を叩き潰すと固く決定してしまえば、戦争から逃れることは出来ません。 いくらアホダラ経のように戦争反対を唱えたところで、それは虚しいばかりでしょう。 戦争を避けるためには地道な外交努力しかありませんが、これも相手が戦うことを決意してしまえば、無駄なこととなり果てます。 結局は叩けば大損するということを知らしめるための軍事力を保持することが最も平和を維持するのに役立ちます。 馬鹿げていますね。 戦いを避けるために多額の税金を投入して強力な軍隊...
散歩・旅行

追分宿など

昨日は軽井沢から少し足を延ばして信濃鉄道で二駅目の信濃追分に行きました。 かつて宿場町として栄えた追分宿に行くためです。 信濃追分駅、驚愕の無人駅でした。 しかも追分宿まで徒歩で30分もかかるとか。 バスもタクシーもありません。 高原なので暑さはさほどでも無いですが、30分とは参りました。 それでもここまで来た以上、突き進む他ありません。 人けがほとんど無い道を歩くこと30分。 追分宿郷土館なる小さな博物館に辿り着きました。  まずは一安心。 追分宿、あまり宿場町らしい風情がありません。 本陣も脇本陣も残っておらず、旅籠もわずかです。 どちらかというと洒落た喫茶店や骨董店が立ち並んでいて、車で来たと思しき観光客が散策しています。 東京出身の小説家、堀辰雄がこの追分に魅せられ、自宅を構えて終の棲家にしたそうで、堀辰雄文学記念館というのがありました。 こんな山奥の宿場町で美しい文学を紡いでいたのですねぇ。 かつての住まいと書庫が残されていて、非常に興味深く感じました。 あまり長くいられる場所では無かったので、喫茶店で一休みして午前中に軽井沢に戻りました。 かつては信濃鉄道の貴賓室だったとい...
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