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文学

化物園

昨夜は恒川光太郎の連作短編集「化物園」を読みました。 7つの短編が収められています。 一つ一つの作品は独立した物語ですが、同じ化物が登場することによって、連作と見做すことができます。 同じ化物とは言っても、猫だったり蛇だったり、果ては顔が無く、数センチ浮いているものだったり、見た目は様々ですが、それらは同じ物です。 この短編集の圧巻は、最後に掲載されている「音楽の子供たち」の迫力でしょうね。化物園恒川光太郎中央公論新社 「音楽の子供たち」によって、それまでは明かされなかった化物に関することが分かります。 化物は人間が誕生するはるか以前から存在する物であって、その姿は変幻自在であり、かつては人間を喰らうこともあったことが示唆されます。 その後異形の化物は人間世界の片隅で息をひそめ、長く、人間との関係を保ってきました。 人間によって化物はどう変わるのか、また、化物によって人間はどのような影響を受けるのか、それらがぼんやりと描かれます。 人間と化物との距離感が良い感じです。 この作者ならではの、どこか寂しさを感じさせる、メランコリーとでも言うべき雰囲気が漂っていて、良い連作短編集であったと思...
精神障害

怖れる

30年くらい前までは、天気予報はよく外れ、それを揶揄することが多かったように思います。 しかし最近の天気予報は外れるということはまずありません。 あたります。 今日も予報どおり冷たい雨が降り続きました。 なぜか分かりませんが、朝6時半に起きて朝食を摂り、週に一度の洗濯をして部屋干しを済ませたら眠くなり、ベッドに潜り込んだら深い眠りに落ち、14時まで眠り続けました。 こういうこと、時折私を襲います。 大抵、ひどい悪夢を見て寝汗をびっしょりかき、目を覚まします。 何を怖れているのかは分かりませんが、私はいつも何かを怖れ続けています。 それが私の本性であるかのように。
散歩・旅行

成田山公園梅まつり

3連休の真ん中。 昨日は雨で明日も雨の予報。 今日だけが晴れて気温が上がり、穏やかな一日になるとのことでしたので、梅を観ようと成田山公園梅まつりに出かけました。 思ったほど咲き乱れてはいませんでしたが、そこそこの開花です。  菜の花も咲いていました。 まずは満足です。 成田山公園に行くということは、成田山新勝寺にお参りすることと同義でなければなりません。 広く長く、古くからやっているであろう各種のお店が軒を並べる参道を通って新勝寺へ。  奈良の薬師寺や東大寺ほどではないにせよ、嫌になるほどの広さです。 成田山でお昼と言えば鰻に決まっています。 一番人気の川豊と言う店、4時間待ちの表示。 アホですか。 そんなに待ったら夕飯になってしまいます。 以前この店でうな重を食ったことがありますが、おそらく蒸さずにいきなり焼いているであろう、荒っぽい味わいでタレは濃い目。 川豊でしか味わえないと思いますが、私は30分待ちの上品な味わいの店で特上のうな重と肝吸いを頂きました。 3,900円。 財布には優しくないですが、鰻なんてそんな物です。 参道では成田名産、米屋の栗蒸羊羹を購入しました。 虎屋のよう...
文学

真夜中のたずねびと

昨夜は恒川光太郎の短編集「真夜中のたずねびと」を一気読みしました。 この作家の作品の多くが異界と現実を行き来するような幻想的なものですが、昨夜読んだ短編集は趣を異にしていました。 つまり、現実世界で起きるミステリーの要素が極めて強く、異界との繋がりはほんのわずかばかり示唆されるだけなのです。 また、一つ一つが独立した短編になってはいますが、ある作品の主人公が別の作品の端役で登場したりして、緩やかな連作と読むことが出来るようになっています。 幻想的な要素が満載の恒川作品を期待すると肩透かしをくらいます。 作家の作風は年とともに変わっていくものです。 この短編集を興味深く読みはしましたが、もしこの路線を突っ走るようなら、私はこの作者から離れていくような予感を覚えます。真夜中のたずねびと(新潮文庫)恒川光太郎新潮社
その他

またもや懐中時計

性懲りもなくまた懐中時計を買ってしまいました。 懐中時計では有名なアエロウォッチの手巻きで、デザインが現代的というか、スタイリッシュな黒で、暗い場所では文字と針が光るという、懐中時計にしては珍しい逸品です。 懐中時計は百年以上前に作られ、オーバーホールを繰り返したアンティークの美品は200万円くらいするそうですが、新品は高級腕時計のように何百万円もする物はありません。 しかしそれでも、ちょっとしたものなら何十万円とかかります。 安月給の木っ端役人には無理目なコレクションです。 今日購入した物も、私には分不相応な値段でした。 もともと私は物欲があまりなく、コレクションなんてしたことがありませんが、懐中時計にだけはハマってしまいました。 これで止めておかないと破産してしまいますね。
文学

躁鬱大学

昨夜は「躁鬱大学」という文庫本を一気に読みました。 現在は双極性障害と呼ばれ、かつては躁鬱病とよばれていた疾患を持つ人が書いた、双極性障害患者やその家族向けに書いたものです。 「カンダバシ語録」と言う物をテキストにして15回、双極性障害患者の生き方や物の考え方を講義する、という体裁を取っています。 ここでは著者は双極性障害という言葉は使わず、古い名称の躁鬱病と言っています。 これは躁鬱病のほうが実態に近い言葉であるからだろうと思います。 さらには躁鬱人と非躁鬱人という概念を作り出し、やや過激な書きぶりが面白く感じられます。  ・躁鬱病は病気というよりも一種の体質。  ・特有の滑らかな対人関係の持ちようは躁鬱病の証拠。  ・中高時代より好調と不調の時期があったはず。  ・躁鬱病の人は我慢するのが向きません。「この道一筋」は身に合いません。  ・一つのことに打ち込まず、幅広く色んなことをするのが良いでしょう。  ・気分屋的生き方をすると気分が安定する。  ・自分の気持ちが動いたものにふっと手を出す。  ・法に触れないことなら何でもしてみましょう。 これらはカンダバシ語録の一部です。 ただし...
文学

白昼夢の森の少女

昨日読み始めた恒川光太郎の短編集「白昼夢の森の少女」を今日の昼休みに読み終わりました。白昼夢の森の少女 (角川ホラー文庫)恒川 光太郎KADOKAWA 作者が後書きで書いていましたが、アンソロジー等に収載された短編を集めたものということで、バラエティーに富んでいました。 ほんの数ページの物から50ページほどの物、ホラー小説然としたものから私小説っぽい物。 いずれも興味深く読みました。 この作者、「スタープレーヤー」シリーズなど、長編も書いていますが、最も面白いのは短編から中編くらいの物なのだと思います。スタープレイヤー (角川文庫)恒川 光太郎KADOKAWA
その他

日曜日

今朝は5時にばっちりと目を覚ましてまい、もう眠れませんでした。 そこで朝湯に入り、飯を食ってから洗濯をしました。 わが家は日曜日の朝に一週間分の洗濯をするので結構な量です。 そのために、大容量の洗濯機を使っています。 同居人が夢の中にいる間に洗濯を済ませ、ベランダに干してしまいました。 その後、しばし読書。 恒川光太郎の短編集を半分くらい読みました。 午後は春めいた陽気に誘われて千葉駅周辺を散歩しました。 日頃町に出ることが出来ない田舎めいた所にある巨大研究所で働いているため、週末くらいは都会的な町を歩きたくなります。 たっぷり歩いて疲れてしまい、喫茶店で珈琲を飲んで帰宅しました。 今日の晩酌のお供は大きなカマスの開きと江戸川産のべらぼうに旨い小松菜の煮びたしとフルーツトマト、それに木綿豆腐の冷奴です。 明日からの仕事を思うと暗い気分になりますが、サラリーマンである以上仕方ありません。 飯の種ですから。
文学

箱庭の巡礼者たち

もう4年前のことになりますか。 今の職階に上がるのとほぼ同時に、世界はコロナ禍に見舞われました。 私は悪い気にあたると、ひどく気分が落ち込む悪い癖があります。 コロナ禍の気も、非常に悪いものでした。 それに加えて昇任によるストレスが加わり、私は小説を読む気力を失ったのでした。 読書という悪癖から逃れられて幸せだ、なんて空元気を出していましたが、精神が一時的にせよひどく衰えたものと思います。 しかし最近コロナ禍も収まりつつあり、加えて今の職階にも慣れ、少しづつ気力が充実してきたところ、村上春樹の新作「街とその不確かな壁」が上梓され、これを読むことによって長く続いた小説を読まない生活を終わらせることが出来たように思います。街とその不確かな壁村上 春樹新潮社 今日は私が敬愛する作家、恒川光太郎の「箱庭の巡礼者たち」を読みました。箱庭の巡礼者たち (角川書店単行本)恒川 光太郎KADOKAWA この作家は「夜市」という小説でデビューし、私は衝撃を受けました。夜市 (角川ホラー文庫)恒川 光太郎KADOKAWA その後この人の小説を次々と読みました。 現実と異世界を行き来する人々の世界をイマジネ...
思想・学問

生活を始める?

先週の金曜日、千葉大学医学部附属病院の眼科を受診するために休暇を取ったため、今日まで4連休でした。 わりとゆっくりできたと思います。 今日は6時半に起きて朝湯に浸かり、朝飯は納豆と生卵だけの質素なおかずで白飯をたっぷりと食い、珈琲を飲んで二度寝しました。 幸せ。 昼は近所のラーメン屋であっさりした塩ラーメンを食し、ミスタードーナツで食後の珈琲を頂きました。 ラーメンや蕎麦は嫌いではありませんが、どうしても慌ただしく食って終わりになってしまうので、駅前のドトールやミスタードーナツで珈琲を飲むことを慣例としています。 その後近所の魚屋で中おちと真鯛の刺身を購入。 本当に良い魚屋が近所にあって良かったと思います。 実家からとても甘みの強い小松菜を送ってもらい、昨日、一昨日とお浸しにして食しました。 今まで食ってきた小松菜は何だったのかと思うほど旨い小松菜です。 小松菜は江戸川区の名産なので。 今日は油揚げを買ったので煮浸しにする予定。 野菜はその他はフルーツトマトです。 私は幼い頃からトマトが好物で、トマト坊やとまで呼ばれていたそうです。 自分では覚えていませんが。 こんな風に日々を生きてき...
その他

ローズ・ゴールド

金属質の物が肌に触れるのが嫌で私は腕時計をしないことはこのブログでお知らせしたとおりです。 で、懐中時計を使っています。 長いことロンジンの手巻きの懐中時計1本で済ませてきたのですが、最近になって様々な懐中時計が欲しくなり、懐中時計専門店からいくつも購入しています。 私の好みはシルバー、アラビア数字、蓋無し、手巻きです。 ローマ数字は好まず、絶対に買いません。 ローマ数字なんて普段読み書きすることがありませんから、見にくいのです。 スケルトンや蓋付き、ゴールド、クオーツも好みません。 しかしローマ数字のように絶対に買わないということはありません。 いくつか買いました。  ゴールドに興味は無かったのですが、ごくわずかですがローズ・ゴールドという色の懐中時計があることを知り、注文しました。 それが今日届きました。 こんな感じです。 これで懐中時計は6つになりました。 そろそろ打ち止めかなと思います。 高級腕時計ほど高い物はありませんが、それでも10万単位の買い物ですから、これ以上はまずいかなと思っています。 これだけあればもう満足です。
思想・学問

どのように、と、何ゆえに

昨日は4週間に1度の精神科通院日でした。 寛解状態が15年以上も続いている身であれば、毎度愚痴をこぼし、毎度同じ薬が処方されるという仕儀に相なることは仕方が無いと思います。 精神科クリニックが千葉駅近くにあることから、予約した診察時刻の2時間前にそごう千葉店に寄りました。 通勤用のビジネス・バッグを購入するためです。 今使っている物は10年以上使ってすっかりくたびれてしまったからです。 私は鞄には興味がありません。 鞄には何十万円も何百万円もする高価な物が存在するくらいの知識はありますが、鞄は中に必要な物を入れて持ち運ぶのがその役割であって、それを果たせてまぁまぁ見映えが良ければ何だって良いだろうというのが私の考えです。 で、2万円以下の安物を購入。 それでも鞄に金をかけたく無い私としては痛い出費です。 懐中時計は何十万円もするものをいくつも買っているのに。 通院前、東大教授で生物学者の小林武彦なる人物が書いた「生物はなぜ死ぬのか」という新書を読みました。 そのタイトルから哲学的な内容を想像したのが馬鹿でした。 著者は生物学者です。 自然科学の限界は、物事がどのように出来ているのかを解...
文学

街とその不確かな壁

昨夜、村上春樹の最新書下ろし長編「街とその不確かな壁」を読み終わりました。街とその不確かな壁村上春樹新潮社 小説を読むのはじつに久しぶりです。 私は自身をハルキストだとは思っていませんが、ほとんどの著作を読んでいるので、その気はあるのかもしれません。 数日前のブログで、この作品は2つの世界が同時並行的に語られ、最後に融合する、変形的なメリー・ゴーランド方式を取っており、初期の名作「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」との類似を認めたが、読む進むうちにそうではないと思った、という意味のことを書きました。 しかし読了して作者自身の手による後書きを読んだところ、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を意識して書いたことが明記されていました。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上下)合本版(新潮文庫)村上春樹新潮社 私はこの重層的で魅力的な物語を高校生の頃に読みました。 その頃、ぼんやりと将来は物語を紡ぐ人になりたいと思っていたのですが、この作品を読んで、こういう物語を書ける人がいるのなら私が物語作者になる意味はないのではないかと思ったことを覚えています。 それほど...
その他

眼科

今日は休暇を取りました。 半年に一度の千葉大学附属病院の眼科を受診するためです。 33歳の時に強い疲れ目で近所の眼科クリニックを受診しました。 疲れ目は問題にならず、涙の成分と同じ目薬を処方されただけでしたが、緑内障の初期症状が認められるとのことで、視野検査を受けたところ視野の欠損は無かったため、半年に一度そのクリニックで視野検査を行い、様子を見ることとなりました。 しかし少しづつ緑内障が進み、一種類だった目薬が二種類になり三種類になりました。 そして3年前、クリニックの院長から白内障だけではなく緑内障にも手術があり、ただし進行を止めるだけではあるが、手術を検討すべき時期が来たと言われ、紹介状を渡され、千葉大学医学部附属病院に行きました。 てっきりすぐに手術ということになると思っていたのですが、千葉大学医学部附属病院においても視野検査を行った結果、50代だと緑内障の手術を受けるにはいささか若く、感染症の怖れが大きいと言われ、こちらでも半年に一度視野検査を行い、そのたびに様子を見ましょうと言われ、ついに3年経ってしまいました。 なんだかモヤモヤします。 切るならさっさと切ってくれと言いた...
思想・学問

生存に有利?

生物学者で東京大学定量生命科学研究所の小林武彦教授によると、人間本来の寿命は55歳程度だそうです。 ところが進化の過程で老いた個体がいる集団のほうが生存に有利に働くため、本来より長生きできるようになったと言います。 寿命の限界は120歳程度とみられ、過去最も長生きしたのは122歳で1997年に亡くなったフランス人女性だそうです。 意外だったのは栄養状態が良くなり、医学が進歩したことが寿命が延びた理由だと思っていたのですが、小林武彦教授によるとそうではないようです。 老いた個体がいる集団のほうが生存に有利に働くため。 そんなことは想像の外でした。 そうだとすると、栄養状態よりも医学の進歩よりも進化の過程で得た生存に有利な条件こそが原因だということになります。 遺伝子のなせる技というか、深謀遠慮というか。 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教のヤハウェの三宗教では神様が全てを創造したということになっているので、寿命が延びたのも予め神様によってプログラミングされていたと解釈するのかもしれません。 しかし何から何まで神様が創ったとするのは無理があるように思います。 キリスト教原理主義者は進化論を否...
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