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映画

レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー

アイスランド初のホラー「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」を観ました。 「悪魔のいけにえ」シリーズをそのまま船上に持ってきたようなおバカぶりがイカしていますねぇ。 世界第三位の捕鯨大国だったアイスランド。 かつての鯨漁師たちは、鯨を見るため海上に繰り出す観光でどうにか生計を立てていますが、漁師時代に比べて収入は激減。 反捕鯨色の強い外国人観光客たちに、複雑な感情を抱いています。 そんな中、ホエール・ウォッチングに繰り出した観光客たち。 ドイツの中年女性3人組、日本人夫婦とそのガイド、ゲイの黒人と、終始酔っ払っているフランス人、それに米国人の若い女二人組みです。 彼らが、元鯨漁師の殺人鬼一家と対決します。 首が飛んだり銛が体を貫いたり、サーヴィス満点です。 そんな中、お金持ちの日本人夫婦のガイドを演じる裕木奈江がよい味を出しています。 最初は雇い主に忠実で大人しい印象だったのが、殺人劇が始まるや、おのれの生き残りをかけて時に暴力的、時に知能犯的な行動で、危機を脱していきます。 最近見かけないと思っていたら、こんな素敵な映画に出ていたのですねぇ。 アイスランド国民にとっては...
社会・政治

性玩具

オーストリアで80歳の老人が婦女暴行・監禁の罪で逮捕されたそうです。 監禁期間はじつに41年間にも及び、監禁されていた姉妹は、姉が12歳から53歳まで、妹が4歳から45歳まで、繰り返し暴行を受けていたとのことで、この種の事件では異例の長さなのではないかと思います。 ここまで長期間発見されなかったのは、明白な理由があります。 犯人が、姉妹の父親であり、すでに亡くなった母親も同じように監禁されていたと考えられるからです。 二人の姉妹は、学校にも通わず、外出もせず、ひたすら父親の性玩具として41年間を生きてきたのです。 その心中、察するに余りあります。 強さと優しさ、そして正義や理非を体現すべき父親が、憎むべき強姦魔として自分たちに迫ってくるわけですから。 今回事件が発覚したのは、今年5月、暴行しようとした父親を突き飛ばしたところ、父親が動けなくなり、やっと外部に通報できたからだそうです。 80歳になってなお、53歳と45歳の娘に暴行を働こうとするなど、鬼畜の所業としか思われません。 心配なのは、姉妹の今後の人生です。 当然働いたこともなければ、友人もいないでしょう。 まして恋人なんて、受け...
思想・学問

「見せかけ」と「大切」

思想の左右や穏便・極端を問わず、現代日本社会を批判するときに、よく使われるのが、見せかけの豊かさに騙されるな、という言説です。 昔に比べておいしい物がたくさん食べられることや、住環境が住みやすくなったこと、車や家電、パソコンなどに囲まれ、生活が便利なことを指して、見せかけの豊かさという表現を使うことが多いようです。 しかしこれはずいぶんと傲慢な言い方です。 自分は豊かだ、と思っている人に、お前は本当は豊かではない、と言っているようなものです。 余計なお世話。 豊かさを感じるための指標としては、まず健康、収入、円満な家族、そして自由になる時間、それとその時間を有意義に過ごすための趣味など。 これらが満足すれば、それは豊かな生活と言えるでしょう。 それ以上に大切な何かがある、というような物言いをする人がいたら、眉つばだと思っていいでしょう。 大切な何か、というのは、神社の奥に鎮座ましましている石ころだったり、薄汚い鏡だったり、要するに糞の役にも立たないけどある共同体でこれはご神体、と定めて、別に信じちゃいないけど、習慣だから拝むのさ、という風に扱われている物体と同じようなものでしょう。 大...
社会・政治

どこにいるの?

カダフィ大佐、どこにいるんでしょう。 反政府軍はもうカダフィ大佐の居住地区を占領したそうですが、地下には迷路のようなトンネルが掘ってあり、一部は地中海にまで達し、船で逃げることも可能だとか。 また、カダフィ一族の亡命を受け入れてもよい、と表明する国も出てきました。 もはや事態は大詰め。 ヒトラーはベルリンでの首都攻防戦のさなか、総統官邸地下壕で、第一次世界大戦の敗北を思い出しつつ、「今度こそ我々は、真夜中が来るまであきらめない」と頑張っていましたが、総統官邸に英国軍が西から、ソビエト軍が東から迫るなか、愛人のエヴァ・ブラウンと結婚し、ナチ高官とささやかなパーティを開いた後、新妻とともに自殺してしまいます。 カダフィ大佐の徹底抗戦の態度には、ヒトラーにも通じるものがあるように思います。カダフィ大佐です。 カダフィの娘と三男の邸宅ももうはや落ちたそうです。娘の自宅です。ベンチにあしらわれた人魚の顔は、娘の顔を象っているそうです。 悪趣味なソファですね。 自動小銃をかかえて寝そべっている反政府軍兵士の無邪気な笑顔が、今次反乱の性格を物語っています。三男の邸宅です。荒れ放題ですね。 カダフィ大...
文学

新入生に読ませたい

数年前でしたか、東京大学教員に、学部問わず、新入生に読ませたい本は何か、というアンケートをとったことがありました。 一位をとったのが、ドフトエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」でした。 この結果をどう考えればいいんでしょうね。  俗物の地主と、三人の息子をめぐる物語。 長男は放埓な退役軍人、二男はニヒルな無神論者、三男は純真で真面目な修道僧。 彼らが異性の問題、信仰の問題、社会制度の問題、ついには親殺しの問題にまで手を広げた、小説に詰め込める要素をすべて詰め込んだ総合小説ともいうべき大作です。 骨太な大作ではありますが、私には毒気が強すぎたようで、読後しばし落ち込みました。 作り物めいた虚構の美を歌う幻想文学や浪漫文学に慣れ親しんだ私には、あまりに鋭利な刃だったのです。 東大の先生が学部関係なくこれを読めということは、過酷な、身も蓋もない現実を見据えて、力強く生きよということなのでしょうか。 それはあんまり学生を買い被ってはいませんかねぇ。  いやなものからは目を背けたいのが人の性。 それをことさらに取りだして並べなくたって、生きているだけで分かってきましょう。 私が東大の先生なら、迷う...
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