色川武大の「狂人日記」を読みました。
色川武大は阿佐田哲也のペンネームで麻雀小説を多数書いたことで知られています。
色川武大は純文学で阿佐田哲也はエンターテイメントという分け方をされますが、同じ人物である以上、そこには共通点が見出せます。
切ないような叙情性、だと思っています。
「狂人日記」は、文字どおり幻覚などに悩まされる狂人の告白です。
迫力と切なさに満ちています。
私は幻覚は見ませんが、躁鬱病という、精神疾患に冒された者の一人として、
この作品に深い愛着を覚えずにはいられません。
![]() | 狂人日記 (講談社文芸文庫) |
佐伯 一麦 | |
講談社 |