村上春樹の鼠三部作で、鼠は趣味で小説を書いています。
小説の流儀は、人が死なないことと、セックス描写がないこと。
それに比べて私は、文学作品はともかく、映像作品については、むやみに人が死んだりセックスしたりする映画やVシネマを好んで観ています。
なぜでしょうね。
家ではゴキブリが出ても殺害できず、逃げ回っているというのに。
そこで、殺人の話。
殺人事件について研究しているある学者が、精神病の専門雑誌に面白いことを書いていました。
どの国、どの文化にも共通しているのは、20歳代前半の男性が男性を殺害するケースが極端に多く、女性が女性を殺害する事件は極めて少ないそうです。
ところが、ここ20年ばかり、わが国においては20歳代前半の殺人犯が明らかに減ってきており、これは他の先進国にも、また発展途上国にも見られない現象だそうです。
20歳代前半の男といえば、動物でいうと巣立ちしてメスを求める頃合いでしょうか。
血気盛んで喧嘩っ早い世代だということは容易に想像できます。
洋の東西を問わず、この世代は暴力的になりやすいのですね。
テロの実行犯なんかもこの世代が多いようです。
不思議なのは、日本でだけ、殺人事件に占める割合がこの世代で低くなってきたことです。
日本は1950年代以降、殺人事件が減り続けているという世界でも稀な、平和を好む人々からなる国です。
こんな国は他にないそうです。
殺人事件の件数が増えても減っても、年代別、性別の比率がほとんど変わらないのが諸外国の実態ですが、わが国においては、20歳代前半の比率が減った分、30代の比率が上がったそうです。
ただし全体の殺人件数が激減しているので、30代の殺人犯が増えたということではありません。
つまり若いやつがカッーとなって人を殺すことが減ったということでしょうか。
一つには高学歴化によって、若者が損得勘定に聡くなったのでしょうね。人を殺して一番損するのは犯人自身ですから。
原因はともかく、殺人が減ったことは良いことでしょうね。
例え日本の若者がユニセックス化しているとしても。
鼠三部作+続編の「ダンス・ダンス・ダンス」です。「ダンス・ダンス・ダンス」には鼠は登場しません。
ノーベル文学賞候補とも言われる村上春樹の最初期の名作群です。
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