今年4月にロードショー公開された映画「フェーズ6」をDVDで観ました。
フェーズ6とは感染症が世界的に流行し、人類に危機が訪れる状況を意味する段階のことです。
感染すれば致死率100%のウィルスが大流行し、感染していない兄弟とそれぞれの恋人4人が、兄弟が毎夏訪れていたという思い出のビーチを目指して何日も車を走らせるロードムーヴィーです。
計画では、閉鎖されたホテルにこもってウィルスが死に絶えるのを待とう、ということですが、事実上は思い出のビーチに死にに行くというのが本当でしょう。
途中、何人かの生存者に会いますが、みな絶望してニヒリズムに襲われています。
そして旅をともにする4人も、全員がビーチにたどりつけるわけではありません。
感染が知られれば、置き去りにするまでです。
感染した他人を銃で脅して車から降ろし、置き去りにしながら、おのれが感染したとわかると連れて行ってくれと哀願する様は、人間の生きたいという本能を描いて見事です。
感染症パニック映画でありながら、映像の趣は淡々とした旅情あふれるロードムーヴィーに仕上がっており、ショッキングなシーンが苦手な向きにはお勧めです。
娯楽作というよりは、起こりうる近い未来を予見した社会的な作品と見ました。
![]() | フェーズ6 [DVD] |
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