芙美子忌

文学

 今日は林芙美子の命日だそうですね。
 林芙美子といえば、戦前の流行作家にして、森光子主演の舞台で有名な「放浪記」の作者。
 流行作家らしく多作で、どんな注文にも応え、作家としての地位に執着し、有望な新人の目を摘むようなことまでしておのれの作家生命を長らえようとしたことが、川端康成らによって伝えられています。

 べつに田舎生まれの田舎育ちを差別する気はありませんが、田舎者じみたあまりのバイタリティというか生命力には、正直げんなりします。

 都会人的なはじらいというのは、田舎に生まれ育っても身に着く人はいるし、逆に都会で成長しても、厭らしいほどパワフルな人というのもいます。

 田舎っぽいか都会的かというのは便宜的な言葉で、実際の生まれ育ちを表すものではありません。

 その前提の上で、私は林芙美子と言う人は、田舎者作家の女王だと思っています。
 なんでも突き詰めるのは大変なことで、この人の前にも後にも、私をこれほどいらつかせる小説家は珍しいように思います。
 そういう意味では真に偉大な作家なのでしょう。

放浪記 (新潮文庫)
林 芙美子
新潮社
浮雲 (新潮文庫)
林 芙美子
新潮社

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