一九三四年冬ー乱歩

文学

 今日は演出家・脚本家・小説家など、マルチな才能を開花させた才人、久世光彦の忌日です。
 たしか2006年だったと記憶しています。
 
 私がこの人の作品として強い印象を残しているのは、「一九三四年冬ー乱歩です。

 彼を語るとき欠かせない、「時間ですよ」などのドラマは、ほとんど覚えていません。
 
 「一九三四年冬ー乱歩」は、スランプを脱するために都内某ホテルに宿泊し、そこで幻想的な経験をする江戸川乱歩を描いたもので、単なる幻想譚としてだけではなく、江戸川乱歩の精神的な苦悩がよく描かれていて見事でした。

 当時直木賞候補になりながら、直木賞のレベルを超えている、という奇妙な理由で受賞を逃して話題になりました。
 そんな理由じゃ、文句も言えますまい。

 当時私は大学生で、通学の地下鉄の中でこの小説を読んでいたのですが、不覚にも涙をこぼしそうになり、慌てて途中の駅で降り、トイレに駆け込んだことを、鮮明に思い出します。

 定命は天の知るところとはいうものの、惜しい人を亡くしたものです。

一九三四年冬―乱歩 (新潮文庫)
久世 光彦
新潮社

 

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