白露

文学

 今日は二十四節気の白露
 大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。
 『暦便覧』では、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明しています。

 確かにここ数日、朝夕はめっきり涼しくなりました。
 季節がめぐれば必ず陽気も変ります。
 その当たり前のことが、なんだか不思議に感じられます。

 松の葉の 葉毎に結ぶ 白露の 置きてはこぼれ こぼれては置く  

 正岡子規の和歌です。
 まだ松の葉に白露がこぼれる季節には早いですが、白露ができてはこぼれ落ち、を繰り返すその風情はなんだか凛とした寒気を感じさせて背筋を正したくなります。

 白露を はじきとばせる 小指かな

 川端茅舎の俳句です。
 こちらはなんだかいたずらな感じがしてほのぼのしますねぇ。
 川端茅舎と言う人、1941年に肺の病気でわずか43歳で亡くなっています。
 今の私と同年齢です。
 俳句を詠み、日本画を描いて生涯をすごしました。

 そしてとっととこの世からおさらば。
 なんだか羨ましいような気がします。

 季節はまだ残暑が続くようですが、精神の上では、もはや夏は終わったものと考えて、来るべき秋を楽しみたいですねぇ。

子規歌集 (岩波文庫)
土屋 文明
岩波書店
川端茅舎 (蝸牛俳句文庫)
嶋田 麻紀,松浦 敬親
蝸牛社


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