3連休明けのせいでしょうか、朝起きたら猛烈に出勤したくない、という思いが強くなり、ズル休みしてしまいました。
午前中はぼんやり過ごし、午後は読書をしました。
篠田節子の短編集「家鳴り」です。
![]() | 家鳴り (集英社文庫) |
篠田 節子 | |
集英社 |
ホラー風味の短編集という触れ込みでしたが、どちらかというと人間精神の暗部を端的に切り取った感じでしょうか。
おいしそうに食事をする妻の顔を見るのが唯一の楽しみになった専業主夫の男が、妻にどんどん飯を食わせ、ついには起き上がることも出来なくなった妻が発作を起こして亡くなるのと同時に丹精こめた家が音を建てて崩れていく、一種の心中物の表題作。
中学生の少女に魅入られて破滅していくサラリーマン。
奇妙なようでいて、誰に起こってもおかしくない物語が、静かに、かつ不気味に綴られます。
なんとなく気分が沈むお休みの日には、ぴったりの内容かもしれません。