選択

文学

 年度あたまで忙しい日々が続いています。

 この時季、いつも、職業選択を誤ったのではないか、という思いに駆られます。

 もちろん、ブラックな職場というわけではありませんが、日々、つまらぬ仕事に追われていると、職業選択のみならず、あらゆる場面で、右か左か迷った時に、いつも間違った選択をしてきたような、奇妙な気分に囚われ、苦しみます。

 荒川ケンタウロスの「アンセム」という歌で、二人が歩んできた道は正しかった気がして、というフレーズがあります。

よどみに浮かぶうたかたは
ハピネット
ハピネット

 一方、さだまさしの「主人公」という歌では、昔を振り返って、あそこの分かれ道で選びなおせるならって、という歌詞があります。

さだまさし 12CD-1056A
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン

 自分の人生を正しかったと思いたいのも人情なら、人生の時の時にあたって、選びなおせるものなら選びなおしたい、と思うのもそうでしょう。

 私は自信をもって、正しい道を生きてきた、と言い張りたい欲望に駆られながら、じつはそうではなかったことを、自分自身がよく知っています。

 きっとこれからも、愚かな選択をして、後悔することがあるでしょう。

 しかし、その選択をした時には、いつもそれが最良だと思っていました。

 そうであるならば、後悔など、自身を貶める行為でしかありはしません。

 内心はともかく、せめて外面だけは、後悔などせず、傲慢なまでに自信満々な態度で、世間を渡っていきたいと思います。

 そのくらい格好付けなければ、やれませんから。