悪いものが、来ませんように

文学

 昨夜は小説を読みました。

 芹沢央という作家の「悪いものが、来ませんように」です。

 恒川光太郎の作品を集中して全て読んでしまって以来、あまり小説を読まなくなったなと思って、帰りに駅前の本屋に寄り、気楽に読めるホラーかミステリーを探していて、「悪いものが、来ませんように」というタイトルに魅かれ、購入。

 夕食後、何の先入観も持たずに読み始めました。

 文庫本で300頁足らずですが、一気に読みました。

 ホラーではなく、ミステリーでした。

 異常なほど仲の良い、奈津子と紗英の二人の女性を軸に物語は進みます。
 その中の良さは薄気味悪いほどです。

 奈津子は専業主婦として家事に子育てに奮闘中。
 紗英は助産院に助手として勤めながら、不妊治療に精を出しています。

 二人は互いに依存しながら暮らしているわけですが、関係性が変化せざるを得ない事件が勃発。

 
そして怒涛のラストへと突入。
 物語は急展開を見せ、あっと驚く結末へ。

 これから読む方がいるかもしれませんので、くわしい内容は書かないでおきます。

 ネタバレになってしまいますので。


悪いものが、来ませんように (角川文庫)
芦沢 央
KADOKAWA/角川書店

 本の帯に「必ず騙される」と書かれていましたが、見事に騙されました。
 そして、「読み返したくなる」とも書かれていましたが、読み返したいとは思いません。
 それほど深い作品ではないので。

 前半、やや冗長な感じがしましたが、後半に至って、疾走感をもって物語が展開するのが快感でした。

 この作者の小説を読むのは初めてですが、他の作品も読んでみようかと思います。
 まだ若い人らしいので、今後が楽しみです。