文学

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忽然とわれ星となる

初夏の一日、頂戴した亡父の蔵書の中から、「日本の詩歌」全30巻など紐解いています。 先人の多くの詩歌に触れ、亡き人を友とするのは、じつに楽しいひと時です。 その中で、吉井勇の短歌に心奪われました。 吉井勇は伯爵家に生まれたわりには、いや、生まれたからこそ、どこか耽美的でいて、厭世的な歌を多く残しています。  寂しさの 極まるところ しら玉の 女身のほかに 欲(ほ)るものもなき ずいぶんストレートに女性を求める歌のようですが、女性を求めるのが肉欲なのか、あらいは寂しさのゆえなのか、意味深長な作りこみになっています。 忽然と われ星となる不思議など あれかしこの夜 あまり寂しき ずいぶん寂しがりだったのですねぇ。 でも星になっちゃうかも、なんて詠まずにいられない気持ち、なんとなくわかりますねぇ。 ひとり生き ひとり往かむと思ふかな さばかり猛き われならなくに 気弱な歌ですねぇ。 でも誰だって、お釈迦様が説くように、犀の角のようにただ1人歩め、と言われたら、戸惑っちゃうと思いますよ。思ふこと すべて違いぬ志 やや大にして せんすべもなし これはすべての凡人の魂の叫びでしょうねぇ。 だいたい...
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ウィッカーマン

1973年製作のカルト・ホラー「ウィッカーマン」を鑑賞しました。 2006年にはニコラス・ケイジ主演でハリウッド・リメイク版が作られているそうですが、そちらは観ていません。 スコットランドから寂れた離島に行方不明の少女の捜索にやってきた警部。 島の人々は英国国民でありながら、キリスト教を信仰せず、太陽神や他の神々を信仰する古い宗教を大切に守ってきました。 捜索を続けるうち、警部は島民が何かを隠していると感じるようになります。 やがて行方不明の少女は、次のメイ・デー祭りに生贄として捧げられるため、どこかに監禁されていると確信するようになります。 そして、衝撃のラスト。 欲深い神々に捧げられるのは誰か。 祭りでの島民の喜悦の表情が不気味です。 わが国の古い映画「神々の深き欲望」を彷彿とさせるような、どこか黙示的な映画でした。 お勧めです。ウィッカーマン 特別完全版 ロビン・ハーディ,クリストファー・リー,エドワード・ウッドワードスティングレイウィッカーマン ニコラス・ケイジ,ケイト・ビーハン,エレン・バースティンソニー・ピクチャーズエンタテインメントNIKKATSU COLLECTION ...
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悪そうな男

女性心理の謎の一つに、誠実で良い人そうな男より、悪そうな男に魅力を感じる、ということがあります。 悪そうということは、本当に悪い男である可能性が高く、そんなものとくっついても苦労するのは目に見えているようなもの。  で、テキサスの大学が、興味深い実験を行ったそうです。 排卵時期には、女性はホルモンの影響で悪そうな男を魅力的だと感じてしまうんだそうです。 ただ、なぜそうなのかは、まだ解明されていないとか。 で、結論。 良い人そうに見える男は排卵時期を避けてアプローチし、悪そうに見える男は排卵時期にアプローチすればよいということになります。 でもどうやって愛しいあの子の排卵時期を知れば良いんでしょうね。 さりげなくそういう情報を手に入れちゃうあたりが、悪い男の面目躍如なんでしょうか。 私は当然良い人然としていますから、排卵時期を避けなければなりませんね。 そうだったのですね。 私が女性にもてないのは、良い人然とした見た目のせいだったのですね。 あぁ、もう少し悪そうに生まれたかった。にほんブログ村人気ブログランキングへ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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妖怪怪異

今日は昨日に比べて蒸し暑いですね。 暑くなると見聞したくなるのが、怪談話。 昔の日本人は、怪談を聞いて冷やっとして涼を取ったというから優雅なものです。 むしろ脂汗のようないやな汗をかくんじゃないかと思いますが。 現代ではエアコンが普及し、簡単に涼しい空気を味わうことができます。 現代に生まれて良かった。 わが国の怪談の世界で活躍するのは、圧倒的に若い女性が多いですね。 お岩さんだったり、お菊さんだったり。 どうも若い女というのは、どこか神秘的で怖ろしいもののようです。               こんなの出てきたらちびっちゃいますね。                  こちらはいかにも儚げです。     井戸の前に立っている所を見ると、井戸になげこまれたんでしょうか。貞子みたいですね。 平安時代には鬼や妖怪が跳梁跋扈していたんだとか。 現代ではトイレの花子さんのような学校に出没する妖怪怪異や、インターネット空間や携帯を媒介する幽霊などが、「携帯彼氏」や「携帯彼女」に生き生きと描かれています。 怪談も時代に合わせて進化するのですねぇ。 精神障害発症後、時折、この世のものではない人物に遭遇...
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草木國土

島田修二という平成16年頃に亡くなった歌人がいます。 若い頃広島で被爆し、反戦めいた歌や反政府的な歌を多く作りながら、晩年は歌会始の選者になったりした、破天荒な人です。 家庭では問題のある父親であったらしく、両足が不自由であった息子を、大金を積んで中国人女性と結婚させ、大連に住まわせたり、息子の結婚に反対していた妻と離婚訴訟を三年も続けたり、歌の才はあっても、いやあったからこそ、困った人であったろうと推測します。 西行も妻と幼い娘を捨てて出家しました。 その際幼い娘を足下にしたというのは本当でしょうか。 お釈迦様も釈迦族の皇太子でありながら、王の務めを嫌い、おのれ一人真理を悟らんと、出家してしまいます。 悟りを開いて後も、しばらくは悟りの境地があまりに深遠であり、人々には理解不能であろうと考え、教えを説くことはありませんでした。 三度請われて、やっと悟りについて語り始めますが、最初のうちは本当に難解な説教だったと聞きます。 それが年を取るごとに分かりやすく、面白い話になっていったんだとか。 亀の甲より年の効ですねぇ。 島田修二もまた、年老いて力が抜けたのか、晩年、悟りを開いたのでは、と...
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