文学

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戦艦大和とクリスチャン

ずいぶん前に、「戦艦大和ノ最期」という戦記文学を読みました。戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)鶴見 俊輔講談社 その作者で戦艦大和の生き残りであった吉田満と言う人が、敬虔なクリスチャンであったことを、最近知りました。 しかも、もともとはカソリック信徒であったものが、後にプロテスタントに改宗しているという変わり種。 キリスト教に入信したのは、1948年。 戦後4年くらいでしょうか。 きっかけは、信頼できる神父との出会いであったようです。 その後プロテスタントに改宗することになりますが、これは謎とされているようです。 結婚が機会になっていることは確かなようです。 というのも、妻の実家が熱心なプロテスタントだったからです。 しかし妻もその実家も、吉田満にはカソリックにとどまることを望んだと伝えられます。 節操無しみたいで嫌だったんでしょうか。 いずれにしろなぜか、プロテスタントに改宗。 推測ですが、神に祈るという行為そのものだけが重要で、儀式のやり方などが異なっていてもどっちでもよい、ならば妻と同じ宗派に、と考えたのではないでしょうか。 宗教に寛容な日本人ですから、そう考えても不思議はありま...
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姥捨

先週、義父が80歳になりました。 大手電機メーカーで技術屋として65歳まで働き、その後は年金生活をおくっています。 毎日2時間の散歩を欠かさない、元気なおじいちゃんです。 まぁ、今どき、元気な80歳なんて珍しくもないのでしょうけれど。 それにしても、少子高齢化はどこまで進むのでしょうね。 このままではわが国は衰退してしまいます。 しかし、かつて老人を山に捨てる、姥捨という風習があったと言います。 誠に怖ろしいことですが、ある意味合理的な選択であったのかもしれません。 姥捨て伝説を描いた深沢七郎の名作「楢山節考」は木下惠介監督によって映画化されました。 雪山に一人座り、合掌する老婆と、それを見ながら悲哀に沈む中年の息子の姿が印象的でした。楢山節考 (新潮文庫)深沢 七郎新潮社楢山節考 今村昌平,深沢七郎TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 能の「姨捨」では、中秋の名月の晩、姨捨山にやってきた旅人が、かつて捨てられた老女の幽霊から事の次第を聞き、老女は美しい舞を舞います。 一般に能では、恨みを残して死んだ霊が現れ、美しい舞を見せ、旅の僧が念仏を唱え、成仏する、というのが、一種...
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夜行観覧車

昨夜は当代随一のストーリーテラー、湊かなえの「夜行観覧車」を一気に読みました。夜行観覧車 (双葉文庫)湊 かなえ双葉社 ある地方都市の高級住宅地。 そこでエリート医師が妻に殺害されることから起こる、騒動を描いています。 母が殺人犯に、父が被害者となり、大学生の長男、高校生の長女、末っ子の男子中学生は途方にくれます。 そしてお向かいに住む両親と女子中学生の3人家族と、近所に住む老婆がからんで、物語はドロドロになって展開します。 広大なお屋敷が連なる高級住宅地にあって、お向かいは普通のサイズ。 高級住宅地に住むことに憧れた母親が無理に夫と娘を説得して建てた家で、母親にとっては家がすべて。 中学生の娘は私立中学の受験に失敗したことから、住宅地の住人にバカにされているように感じ、ひどい癇癪持ちになり、週に何度も家庭内で大暴れ。 老婆は老婆で、古くから高級住宅地に住む矜持からか、まわりに干渉します。 隣の芝は青く見える、と申します。  この小説には、嫉妬や怒りなどの感情がごちゃごちゃに詰め込まれ、いやぁな感じが漂います。 謎解きとか本格ミステリーとかいったものではなく、家族や近所のいやぁな感じを...
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光源氏にとっての死

今日は好天に恵まれましたが、北風が吹いて寒い一日でした。 事務室の中は暖房が効いて快適でしたが、タバコを吸おうと外に出ると、風がひどく冷たく感じられました。  すっかり晩秋ですねぇ。 そして、もうじき、冬がやってきます。 冬というのは、どこか死を感じさせます。 死と言えば、光源氏の生涯を思い起こします。 前半の華やかな女性遍歴から一転して、ついには出家。 光源氏亡き後も、物語は続きます。 多くの女性と浮名を流し、不遇な時代もあったものの、後に大きな権勢を誇りながら、晩年は最愛の妻、紫の上の死を悲しみ、出家して隠遁してしまいます。 思えば光源氏という人、多くの近しい人を失っています。 母である桐壷更衣、桐壷の母(源氏の祖母)、恋人である夕顔、最初の妻、葵の上、父である桐壷院、父帝の妻でありながら密通を交わし、源氏の子を産む藤壺、やたら嫉妬深い六条御息所、恋敵と言うべき柏木、最愛にして最後の妻、紫の上。 光源氏にとって最初に経験したのが、母、桐壷更衣の死。 この時光源氏、わずか3歳。 人の死がどういうものか分からず、周囲の異様な雰囲気を察し、あやし、と感じます。 要するに、変だ、妙だ、と感...
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欲望

小池真理子先生の「欲望」を読み終わりました。欲望 (新潮文庫)小池 真理子新潮社 中学生時代の同級生、類子と阿佐緒、それに正巳という3人をめぐる長い物語です。 阿佐緒は中学生時代から、男なら誰もが欲望を抱くような肉感的な美少女でしたが、彼女の精神は極めて幼稚です。 類子は読書が好きな文学少女で、容姿は十人並み。 正巳は逞しくも美しい少年で、文学少年です。 類子を語り手に、この3人の愛と欲望の物語が綴られます。 ポイントは、正巳が逞しい美青年に成長したにも関わらず、高校時代の事故により、性的不能に陥ってしまうこと。 類子は司書教諭として働きながら、同僚の妻子ある男性教師と肉体だけの関係を断ち切れずにいます。 しかし類子が恋焦がれてやまないのは、不能の正巳。 正巳は肉感的な阿佐緒に惹かれながら、どこか神々し過ぎて、類子に現実的な恋を求めます。 阿佐緒は30歳も年上の、耽美主義的傾向を持った精神科医と結婚し、セレブ生活を送りますが、夫が自分の体を求めないことから、住み込みの家政婦と出来ているのではないかと疑い、勝手に妄想を膨らませ、根拠の無い嫉妬に苦しみます。 類子は肉欲を不倫で解消し、正巳...
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贖罪

昨日は湊かなえの「贖罪」を読みました。贖罪 (双葉文庫)湊 かなえ双葉社 田舎の小学校で、東京から転校してきた女児が強姦されたうえ、殺されてしまいます。 一緒に遊んでいた4人の女児は犯人を目撃しただけでなく、短い会話を交わしています。 しかし、4人はどうしても犯人の顔を思い出すことができません。 それに怒った被害者の母親は、4人にひどい言葉を投げつけます。 あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。 この言葉に激しい衝撃を受ける女児たち。 15年後、4人それぞれの独白、さらには被害者の母親の独白という形で物語は進みます。 そして、4人ともが、怖ろしい事件を引き起こすのです。 このスタイル、映画化された名作「告白」によく似ています。告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)湊 かなえ双葉社告白 【DVD特別価格版】 松たか子,岡田将生,木村佳乃東宝 そして、最後に明らかになるあまりにも過酷な犯人の真実。 衝撃的なラストです なんとも後味の悪い作品です。 もっとも、この作者の作品は大抵後味が悪く、それこそが真骨頂だと...
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入らずの森

昨夜、「入らずの森」というホラー小説を読みました。入らずの森 (祥伝社文庫)宇佐美 まこと祥伝社 帯の、夜、一人で読んではいけない、という宣伝文句に興味を持ち、購入したものです。 愛媛の山中の過疎の村。 足を怪我してオリンピックへの出場を断念して中学教師になり、あえて田舎の学校を希望して赴任した青年の鬱屈。 サラリーマン生活に嫌気がさし、有機農業へ憧れを抱いてIターンでやってきた初老の夫婦の葛藤。 両親の離婚をきっかけに、東京から祖母の家に身を寄せた不良少女。 そしてなぜか、埼玉県の病院で死の床に着く老婆と介護する娘。 愛媛の寒村をめぐる様々な人々の物語が重層的に語られ、最後にはその関係性が判明する、という構成。 横溝正史を思わせるような因習的な田舎に、わが国らしい、湿った感じが雰囲気を盛り上げます。 森に住む邪悪な生き物。 平家の落人伝説。 この数十年、時折起こる残忍な事件。 和製ホラーらしい道具立てが整っていて、きれいにまとまった小説です。 ただし、決定的な欠陥があります。 怖くないのです。 ホラー小説としては完璧と言えるほどの道具立てと、かちっとまとまった物語が、かえって不気味さ...
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秋の長雨

今日も冷たい雨。 今年は夏からずうっと雨が多いように感じます。  週末も雨の予報。 しかも今週末は台風の予報で、珍しく、2週連続して週末、台風となりそうです。 クサクサします。 秋萩を 散らす長雨(ながめ)の 降るころは ひとり起き居て 恋ふる夜ぞ多き 「万葉集」に見られる短歌です。 秋の長雨の晩、一人起きだして、人恋しく思う、といったほどの意でしょうか。万葉集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)角川書店角川書店 さすが、万葉歌人が歌うと、私のように「クサクサします」とはならず、なぜか風情を感じさせるのですねぇ。にほんブログ村 人文ランキング
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花の鎖

台風が近づいているとかで、朝から本降りです。 どこへも出かける気にならず、無聊をかこって、小説を読むことでおのれを慰めて過ごしました。 当代随一のストーリー・テラー、湊かなえの「花の鎖」を読みました。 文庫本で350ページほどですが、面白くて、一気に読みきってしまいました。花の鎖 (文春文庫)湊 かなえ文藝春秋 梨花・美雪・紗月という、3人の女性の物語が並行して描かれます。 それぞれに興味深いものですが、3人のつながりがよくわかりません。 それぞれの名前から、雪月花、にちなんでいることが覗えるだけです。 そしてそれぞれ、雪・月・花という章に分かれて進んでいきます。 しかし物語の後半にいたって、時系列が分かってきます。 つまり、紗月が娘、梨花が母親、美雪が祖母、と言う具合。 それが同時並行で描かれるので、最初は同時代を生きる3人の若い女性の話なのかと勘違いさせられます。 そして、梨花に毎年送られる豪勢な花と、その送り主、K。 Kとは何者なのか、美雪に起こった因縁が娘の梨花、孫の紗月にまで及ぼすことになった元とは何なのか。 謎解きのような面白さと、号泣必至の結末。 あまり多くは語りますまい...
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瑠璃の海

昨夜、小池真理子先生の「瑠璃の海」を読了しました。 文庫本で500頁ちょっとの長編でしたが、わりあいすんなり読めました。 相変わらず平易で読みやすい文章です。瑠璃の海 (集英社文庫)小池 真理子集英社 で、読後感。 これは好悪が分かれる小説だろうな、と思いました。 高速バスの事故で夫を失った30代後半の萌。 同じ事故で小学生の娘を失った40代前半の売れない小説家。 小説家は、とうの昔に離婚していて、娘を一人で育てていました。 萌と小説家は、遺族の会で知り合います。 そして、急速に魅かれあっていきます。 耐えがたい喪失感を抱えた二人は、その喪失感を共通項にして、結びつきを強くしていったのでしょうか。   売れないとはいえ一応小説だったため、事故後1年も経たないうちに付き合い始めた二人を週刊誌が面白おかしく取り上げたり。 すでに事故死した夫が、生前浮気していたのではないかと萌が疑ったり。 さらには、結婚前に少し付き合っていただけの男に、萌が体の関係を迫ったり。 小説家との情交に溺れて会社をさぼったり。 小説家はふらっといなくなって、酔っぱらって喧嘩したあげく、怪我を負ったり。  およそ道徳...
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楽園は兄妹を地獄に落とすか

昨夜、ずいぶん昔に読んだ夢野久作の「瓶詰の地獄」を読み直しました。瓶詰の地獄 (角川文庫)夢野 久作角川グループパブリッシング ごく短いながら、強烈な印象を、少年の頃の私に残したことを覚えています。 なぜか昨夜、急に読み返したくなって、パソコンを開き、青空文庫を検索したところ、アップされていたのを確認した時は、嬉しくなりました。 内容はいたってシンプル。 ある島の村に、ビール瓶が3本、流れ着いているのが発見されます。 中にはそれぞれ鉛筆で書かれた手紙らしきものが入れられています。 そのことを海洋研究所に報告し、提出する旨の村役場による候文が最初に置かれます。 その後、難破してその島に流れ着いたと思しき兄と妹の2人の手紙が、それぞれに入っています。  その島に流れ着いた時、兄は11歳、妹は7歳。 島にはパイナップルやバナナ、鳥の卵などが豊富にあり、食うに困りません。 難破した時に避難に使ったボートを建材にして、小屋を作り、2人は幸せに暮らします。 そこはまさしく、二人だけの楽園でした。 二人は聖書を大事にしていることから、クリスチャンであることが示されます。 数年経つうちに、2人はたくま...
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首折り男のための協奏曲

昨日は奇妙な短編集を読みました。 「首折り男のための協奏曲」です。首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)伊坂 幸太郎新潮社 一瞬にして狙った相手の首を捻じ曲げ、即死させる殺し屋。 探偵であり空き巣常習犯の男。 この2人を軸に、2人の周囲の人々の姿が描かれます。 それぞれの短編は、繋がっているようで、じつは繋がっていません。 これは殺し屋と探偵兼空き巣を描いた物語ではなく、その周りの普通の人々を描いたものです。 帯の宣伝文句を信じると、騙されます。 まぁ、一気に読んだのだから、そこそこ面白かったのでしょうが、なんとも中途半端な感じがします。
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カズオ・イシグロ先生、ノーベル文学賞受賞

今日は午前中、休暇を取りました。  首が痛むので、整形外科に行ってから出勤しようと思っています。 日系英国人作家、カズオ・イシグロ先生がノーベル文学賞を受賞された、との一報が飛び込んできました。 うれしいですねぇ。 私は先生の著作の熱心な読者ではありませんが、過去に5冊、読んで、それぞれに感銘を受けました。 私が読んだのは、   「わたしたちが孤児だったころ」  「忘れられた巨人」  「浮世の画家」  「日の名残り」  「わたしを離さないで」 です。わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)Kazuo Ishiguro,入江 真佐子早川書房忘れられた巨人Kazuo Ishiguro,土屋 政雄早川書房浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)飛田 茂雄早川書房日の名残り (ハヤカワepi文庫)Kazuo Ishiguro,土屋 政雄早川書房わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)土屋政雄早川書房 サスペンス調の作品、SF、ファンタジー、失われゆく古い英国を回顧したものなど、内容は多彩です。 そのなかで私が最も深く感動したのは、「わたしを離さないで」でしょうねぇ。 5作品とも、このブロ...
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名月

今宵は中秋の名月。 首都圏では、きれいなお月様が拝めそうです。 ススキや団子を用意する暇はありませんが、自宅のベランダから、月見酒としゃれこみたいと思います。 名月や 池をめぐりて 夜もすがら 松尾芭蕉の句です。 月を見ながら池のほとりを散策していたら、夜が明けてしまった、という意でしょうか。 だとしたら、月の美しさをひたすら称揚する、耽美的かつ、昂揚感が感じられる句ですね。 芭蕉全句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)雲英 末雄,佐藤 勝明KADOKAWA / 角川学芸出版 一方、同じ松尾芭蕉に、 俤(おもかげ)や 姥ひとり泣く 月の夜 という句もあります。  一人月を眺めていたら、すぐ近くに、月を眺めながら泣いている老婆がいた、ということで、前の句とはだいぶ趣が異なります。 月の美しさのみならず、月の儚さ、さらには人の生というものが持つ根源的な儚さを感じさせ、胸に迫ります。 私が今宵、月を観てどんな感慨にふけるのかは分かりません。 ただ、来し方を振り返ることはせず、今日のことと明日のことのみ考えたいと思います。 今日と明日のことだけを考えて暮らす生活。 それこそが、精神障害の完全...
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ふたりの季節

昨夜は小池真理子御大の「ふたりの季節」を読みました。 文庫本で130頁ほどの中編。 1時間もあれば読み終わる、気楽な作品です。ふたりの季節 (幻冬舎文庫)小池 真理子幻冬舎 読後感は、なんだかさっぱりしているなぁ、というもの。 この作者には珍しいかもしれません。 ドラマティックな展開のない、小品だからかもしれません。 50代半ばの由香。 忙しい毎日を送っていますが、短い夏休みをとって、カフェでくつろいでいるところ、偶然、35年ほど前に別れたかつての恋人、拓と再会します。 物語は、カフェで2人が数時間語り合いながら、2人が青春時代を過ごした1970年代初頭を回顧するという短いものです。 高校から大学のはじめにかけての2人の恋。 結婚の約束までしながら、これといった理由もなく、2人は別れてしまいます。 その後30数年。 それぞれに結婚し、子供も成人しています。 会話のなかで、由香は離婚し、拓は妻と死別していることが語られます。 私は1969年生まれなので、1970年代はじめの風俗というか、時代感覚がよく分かりません。 物語では当時流行った音楽や映画、小説のことが多く語られますが、私にはもう...
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