文学 世をおさめ、民をやはらぐる道
その道さかりに興り、その流れいまに絶ゆることなくして、色にふけり、心をのぶるなかだちとし、世をおさめ、民をやはらぐる道とせり。 新古今和歌集「仮名序」に見られる和歌の効用です。 色にふけり、心をのぶるなかだちとするというのは素直に腹に落ちますが、世をおさめ、民をやはらぐる道とするというのは、なんとなく違和感を覚えます。 それはつまり、和歌によって政治的影響力が生じるということでしょうか。 かつて、ベトナム戦争激しい頃、反戦を専らとするフォーク・ソングというジャンルが流行りました。それはやがて、四畳半フォークなどと呼ばれ、生活上の哀感を歌う貧乏くさいものに進化もしくは退化していき、今ではほぼ絶滅しました。 音楽に限らず、絵描きでも小説家でも彫刻家でも、政治的メッセージを込める作品は少なくありません。 言いたい気持ちはわかりますが、私はこれを、芸術家の堕落としか考えられません。政治に色気を持ったなら、すぱっと政治家に転身すればよいのです。例えば石原慎太郎のように。今となっては石原慎太郎が元々は文芸の世界の人で、今も精力的に書き続けていることは、忘れさられてしまった感があります。 レーガン元...