文学

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1Q84 BOOK3

話題のベストセラー「1Q84 BOOK3」を購入し、半分くらいまで読みました。 BOOK1とBOOk2はもちろん、読み終わっています。 私はこの作家の本は、四半世紀というもの、ほぼリアルタイムで読んでいます。今はヨーロッパでも読まれ、ノーベル文学賞候補にまでなっているとか。 大したものです。 この作家の小説は、その文体などから、アメリカナイズされたように誤解されがちですが、そうではないと思います。記紀万葉の時代から、わがくにびとが大切にしてきた無常感や諦念といったものが小説の根底を流れていて、口当たりだけ、ハンバーガーのように食べやすいのだと思います。 その本質は、醤油と味噌と米。決して、ハンバーガーやフライドチキンではありません。 残念なのは、「風の歌をきけ」から「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」までは、瑞々しく、濃密な物語世界が展開されていたのに、「ノルウェイの森」以降、どこか気の抜けたビールのような小説が多くなってしまったことです。 いくつかの短編には見るべきものがありますが、「海辺のカフカ」にしろ、「ねじまき鳥クロニクル」にしろ、また今回の作品にしても、何か物足りない...
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最近、外で酒を飲む機会がめっきり減りました。 時代の流れでしょうね。仕事帰りに上司や同僚、後輩と軽く一杯、という風習は、もはや無くなったと言っていいでしょう。 個人の時間を大切にする、という意味で喜ばしいことですが、一方、なんだかさびしいような気もします。 オーソン実験の昔に立ち返るまでもなく、職場における人間関係が業務能率に影響を与えるのは、当たり前の話です。 むしろ欧米人が、オーソン実験の結果をみて、人間関係が能率に影響することに驚いた、という事実に日本人たる私は驚きます。我々にとっては、あまりに当たり前の話です。 その私たちも、古い言葉ですがノミュニケーション というものを捨てようとしています。 病気の私には、ありがたいことです。 外で飲むことは減りましたが、家ではよく飲みます。酒好きなのですね。 身もおもく 酒のかをりはあおあおと 部屋に満ちたり 酔はむぞ今夜 酒を愛した歌人、若山牧水の歌です。いかにも酒好きらしい、飲むことを楽しみにしている風情が伝わってきます。 蒼ざめし 額つめたく濡れわたり 月夜の夏の 街を我が行く 同じ歌人の手になる和歌です。大正元年発表の「死か藝術か」...
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じめじめ

一日、雨でした。早くも梅雨の予感です。 30代前半までは、男には珍しい冷え症で、冬には靴下を二枚はいたり、仕事の合間に手を お湯で温めたりしていたのですが、三年ほど前からでしょうか、この時分から10月くらいまで、足首、足指に熱感があって、不快です。手足だけは冬でちょうどよいくらいです。末端ぽかぽか症です。夏場は、家ではいつも素足。外出するときも、近くなら素足に雪駄です。これがじつに気持ちよろしい。 職場では素足というわけにはいかないので、五本指ソックスをはいてしのいでいます。 そして帰宅後の楽しみは、冷たい水で、一本一本丁寧に足指と足裏を洗うことです。仕事の疲れが吹き飛びます。足を洗うとは、よく言ったものですね。 中年の靴下は臭いとか。この時期だけは、自分の靴下が臭いと思います。 蹠(あうら)より 梅雨のはかなさ はじまりぬ つい数年前に没した桂信子の句です。 蹠(あうら)とは、足の裏のことです。 梅雨の不快感を、風流な、はかなさという言葉で表現しているのが面白いですね。もっと露骨な表現もできましょうに。 この俳人は肉体を感じさせる句が多く、 ふところに 乳房ある憂さ 梅雨ながき と、...
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復職祝い

昨夜は実家で復職のお祝いをしてくれました。両親と兄とで御馳走に舌鼓をうち、さまざまな酒を少しづつ飲みました。 まことにありがたいことです。 そして、父の年齢からくる衰えに、時の流れを感じました。 人は老いるもの。時は流れるもの。 今が一番若い、と言ったのは、定年退職した元上司です。一分後には、今よりも老いています。そして一分後には、その瞬間が一番若いのです。 年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず 初唐の頃の詩人劉廷芝の詩の一節に、この有名な文句があります。 日本では、「和漢朗詠集」で紹介されて人口に膾炙するようになったようです。  いくら科学が進歩しても、時の移ろいはどうしようもありません。 和漢朗詠集 (講談社学術文庫 (325))講談社このアイテムの詳細を見る
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プラタナス

街の緑が濃くなってきました。日差しも強烈です。やっと、初夏が訪れたのですね。 私が昔通っていた学校には、プラタナス並木がありました。 夏には青々と、冬には寒々しく黄色に枯れて、季節をかんじさせるのでした。 私は、そんな思いでがあるせいか、プラタナスという木に、感傷を覚えます。 プラタナス 夜もみどりなる 夏は来ぬ 石田波郷の句です。 プラタナスという木は明治時代にアメリカから来た木だそうで、今でも日本の伝統的風景というのではなく、どこか人工的というか、ハイカラな感じがしますね。 それが都会へのあこがれと若い感傷を生むのでしょう。プラタナスの木陰で―音楽家の自由時間鮫島 有美子時事通信出版局このアイテムの詳細を見るプラタナスの木蔭で鮫島 有美子時事通信社このアイテムの詳細を見る季題別 石田波郷全句集石田 波郷角川学芸出版このアイテムの詳細を見る
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