文学

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アクセス

昨日、ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞したという小説を読みました。 「アクセス」です。アクセス (新潮文庫)誉田 哲也新潮社 うーん、微妙。 インターネットが登場してから、この手の作品はやたらと増えましたが、なかなか上質のものは生まれません。 少年少女たちの冒険譚として読めば、恋あり、女同士の友情あり、援助交際にいそしむ美少女ありで、そこそこ楽しめますが、あくまで子供向きのような気がします。
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プラージュ

今日は職場が電気設備点検のため、臨時のお休み。 3連休になりましたが、体調が悪く、ほぼ引きこもりです。 で、小説を読みました。 「プラージュ」という作品です。プラージュ (幻冬舎文庫)誉田 哲也幻冬舎 一階が昼は定食屋、夜が飲み屋になる飲食店で、その名前がプラージュ。 二階は7部屋あるシェアハウスになっています。 このシェアハウス、ちょっと変わっています。 住民は全員前科者。 そして、部屋にドアはなく、カーテンがあるだけです。 ここでの様々な出来事を描いた、一種の人情喜劇のような印象ですが、ラストは衝撃的です。 前科者がなかなか社会に受け入れられずに苦しむ姿が、乾いた印象で語られます。 犯罪を犯した過去はかえられないとしても、罪を償い、再スタートをきろうとしている人々への差別は許されるのか、と鋭く問いかけます。 ちなみにプラージュとはフランス語で海辺のこと。 海と陸地の狭間に、犯罪者との社会との断絶を象徴させているようです。 本来重くなるテーマを、読みやすくて面白いエンターテイメントに仕上げた技量はたいしたものだと思います。
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千年

来週の火曜日、8月22日は私の誕生日。 48歳になります。 48年なんて、長い歴史から見ればわずかな期間です。 人間の歴史は宇宙の歴史からみれば一瞬ですが、それでも、現在を生きる私としては、とてつもなく長い年月の積み重ねに感じます。 そういえば、子供の頃は冷房は居間にしかなく、扇風機だけの自分の部屋で眠らなければならない真夏は過酷でした。 学生の頃、実家が農村の友人宅を尋ねたら、トイレは水洗になっておらず、築100年の茅葺の家で、まるで日本昔話のようだと驚いたことがあります。 台所は土間で、居間は板の間で囲炉裏がありました。 近年の技術の進歩はすさまじい勢いで、情報環境をはじめとして、30年前の暮らしと現在とでは、大きく異なっています。 今私がこうして当たり前のようにアップしているブログも、ほんの20年ほど前までは、ほとんど見当たりませんでした。 時代は移ろい行くようです。 そう思うと、千年も昔のことなど、想う術とてありません。  千年を 世界の人の あゆみける 路ほそぼそと 眼にうかび来る    窪田空穂の短歌です。 千年の歩みなんて、眼には浮かびませんが、壮大な歌だと思います。窪田...
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終戦

今日は終戦記念日。 例年であれば、狂気じみた暑さに襲われますが、今日はしとしと雨。 涙雨、でしょうか? 終戦のち 一年を過ぎ 世をおそる いきながらへて 死をもおそるる  齋藤茂吉斎藤茂吉歌集 (岩波文庫)山口 茂吉,佐藤 佐太郎,柴生田 稔岩波書店 たゝかひは 永久(トハ)に やみぬとたゝかひに 亡(ウ)せし子に告げ すべあらめやも  釈迢空釈迢空全歌集 (角川ソフィア文庫)岡野 弘彦KADOKAWA/角川学芸出版 72年目の終戦記念日を迎え、とくに思うところはありません。 戦時中、戦争協力をしたことで、戦後、反省の日々をおくった齋藤茂吉。 反省などしなくてよいのに。 祖国が総力戦に突入してしまったら、祖国の勝利を信じて出来うるかぎりの協力をするのがどこの国でも当たり前なのに。 それを許さないGHQ、そしてわが国の戦後の言論空間が怖ろしいです。 切ないですねぇ。 義理の息子を戦争で亡くした釈迢空。 義理の息子と言いながら、事実上は同性の恋人でしょう。 老いた歌人であり国文学者であった彼には辛いことでしたでしょう。 この趣の異なる二首を紹介して、終戦記念日の記事に代えたいと思います。に...
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盛夏

昨日、今日と、いよいよ暑くなってきました。 まさしく、盛夏。 もう20年も、日焼けすらしていない軟弱者の私にしてみれば、死を連想させるような過酷な季節です。 蝉は鳴き、命の盛りのような盛夏に、死が感じられるとは不思議なものです。 やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声 俳聖、松尾芭蕉の句です。 俳聖もまた、蝉の声に死を感じていたのでしょうか。 しかし、夏は短く、儚くもあります。 この狂い死にしそうな季節を、どうやってやり過ごそうかと思っているうちにも、盛夏は終わってしまうのでしょうね。にほんブログ村 人文ランキング
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