文学

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牧水先生

今日はなんだか肌寒いですねぇ。 初夏という感じはしません。 暑い真夏が来るのを怖れながらも待ち焦がれる、矛盾した私がいます。 蒼ざめし 額つめたく 濡れわたり 月夜の夏の 街を我が行く 若山牧水の和歌です。 月夜の夏、蒼ざめた顔で町を彷徨する歌人が目に浮かぶようです。 牧水先生のことですから、きっと酔った頭で、しかし頭の芯は冴えたまま、ふらついているのでしょう。 不気味な迫力を感じる秀歌です。 疲れはてて 帰り来れば 珍しき もの見るごとく つどふ妻子ら これも若山牧水の和歌です。 上の和歌とは別の歌集に載っていますが、続きだと思って読むことは、なかなか楽しいものです。 感傷的な深夜の散歩から酔眼で帰宅してみれば、珍しいお客様が来たかのように、妻子が集うというのです。 それだけ妻子を放ってふらついているのでしょうね。 芸術家の孤独な魂を感じずにはいられません。 飲むなと 叱り叱りながら母がつぐ  うす暗き部屋の 夜の酒のいろ 牧水先生、老母に叱られながらも酒を飲むという、ほのぼのした面もあったのですねぇ。 それにしてもお母さん、飲むなと叱りながらついじゃあいけませんよ。 われとわが 悩...
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ロスト・ハーモニー

突然のお休み、体を休めるためにごろごろしていましたが、あんまり退屈なのでDVDを借りました。 美少女だらけの学園心霊ホラー「ロスト・ハーモニー」です。 ある女子高の合唱部。 湖畔のペンションで合宿を行います。 美しい自然と美少女たちがよくマッチしています。 しかし、美少女たちを恐怖が襲います。 ある者は指をちょん切られ、ある者は足を切断され、またある者は首を切断されます。 14年前、やはり同じペンションで合宿を行った女子高生がバラバラ殺人にあい、遺体のみつかっていない一部を取り戻そうとしているかのようです。 そして、合唱部の顧問が悪いやつです。 14年前殺された女子高生とは性的関係にあり、今回の合宿参加者の1人ともそういう関係にあります。 ペンションのオーナーは、顧問に会いに出て北に違いないと断じます。 美しい背景と美少女たちが血みどろのスプラッターを演じるこの映画、安っぽい感じはご愛敬。 安いホラーは安いホラーなりに楽しめばよいのです。ロストハーモニー Lost Harmony 広瀬アリス,吉谷彩子,高畑充希,田中美晴,柳田衣里佳TCエンタテインメントにほんブログ村映画(オカルト・ホ...
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八田與一

わが国ではあまり知られていませんが、台湾総督府の技師として治水やダム建設で活躍した八田與一と言う人、台湾では大層人気があるそうですね。 私も小林よしのりの「台湾論」という漫画を読むまで知りませんでした。 今日が八田與一の忌日ということで、台湾では官民あげて彼の業績を讃えているそうです。 教科書にまでその偉業が紹介されているとか。 ちょうど一年前にはダム建設中に八田與一が住んでいた宿舎跡地を公園として整備し、八田與一記念公園と名付けたというから驚きです。 同じように日本の統治を受けながら、朝鮮半島と台湾で対日感情が極端に異なっていることはよく知られています。 もっとも、台湾も最初から対日感情が良かったわけではなく、日本が戦に敗れて台湾から撤退した後、中華民国国民党政権が台湾を支配するようになり、彼らの民度があまりに低く、相対的にかつての宗主国、日本への郷愁が高まったというのが本音のようです。 「台湾論」には中華民国の人々の信じられない行動が描かれています。 小学校や中学校の教師が、教室であろうと廊下であろうと所構わず痰を吐く。 水道の蛇口をひねると水が出ることに驚いて、金物屋に蛇口を買い...
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寄附

尖閣諸島の一部を購入すると宣言した石原都知事。 購入の足しにしてくれとの寄附が、一億円を突破したそうです。 頼もしいぞ。 わが日本人! 私は寄附と名のつく行為はしたことがありませんし、今後もする気はありません。 むしろとびおさんチャリティー基金でも作って、寄附してもらいたいくらいです。 でも私は、不治の病に苦しむ少女でもなければ、震災に苦しむ者でもありません。 一応、正職員として働いています。 寄附をする立場であって、寄附を受ける立場ではありません。 この上は宝くじやロト6で一攫千金を狙う他なさそうです。 それにしても金というもの、不思議なものです。 躁状態で派手に遣っている頃、金の心配などしませんでした。 しかし躁状態から脱して、倹約生活を始めたら、わずかな出費が痛いのです。 働けど働けど なお我が暮らし楽にならざり  じっと手を見る                                     石川啄木  私は石川啄木の歌を好みませんが、上の歌は哀感漂っていますねぇ。 大方のサラリーマンがそう感じているのではないでしょうか。 現代のサラリーマンは、昔で言えば水呑百姓、いや...
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Super Moon

昨夜はSuper Moonだったそうで。 恥ずかしながらそんこととはつゆ知らず、月を愛でることもなく、自宅で焼酎をかっ喰らっていました。 月の軌道が楕円形を描いているために起こる現象で、月が地球に接近したときに満月になると、Super Moonと呼ばれる巨大な月が観測されるそうです。 世界各地から、Super Moonの映像が届いています。 見事な月です。  圧倒されるばかりです。 建物と月の比率が明らかに奇妙ですね。 新古今和歌集にみられる藤原惟成の和歌に、 しばし待て まだ夜はふかし 長月の 有明の月は 人まどふなり と、いうのがあります。 これはいわゆるSuper Moonを詠んだものではないんでしょうが、もしかしたらSuper Moonなのかも、と想像することは、楽しいものです。 わがくにびとは、太陽神である天照大神を仰ぎ、国旗も太陽をあしらったシンプルで美しいデザインですが、なぜか風狂の世界に遊ぶ粋人は、太陽なんぞには眼もくれず、月の幻想美を追い求め、賛美してきましたね。 月見のために建てられた銀閣しかり。 卑近な例では、庶民が楽しむ月見の宴しかり。  わが民族が月を偏愛する...
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なんとなく

だるいです。 昨日、一昨日と歩き回ったせいかもしれず、連休最終日の憂愁かもしれず。 私は大型連休でも夏休みでも、最終日まで遊びまわることはしません。 疲れちゃいますから。 今日も憂色の連休最終日ですねぇ。 家でごろごろしていても気持ちは沈むばかり。 わが部屋に われの居ること木の枝に 魚の棲むより うらさびしけれ     若山牧水 こんな厭世的な和歌が、頭を去来します。 そうかといって気晴らしに近所を歩こうかと思っておもてに出たら、鳥が鳴いていて、 夏の樹に ひかりのごとく 鳥ぞ啼く 呼吸(いき)あるものは 死ねよとぞ啼く   若山牧水 という歌が浮かんできて、命の盛りであるべき初夏が、どこか不気味なものに思えてきて、すぐに帰ったりするのです。 なんだか今日は悪い波に襲われているようです。若山牧水歌集 (岩波文庫)伊藤 一彦岩波書店にほんブログ村 本・書籍 ブログランキングへ ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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憲法記念日

今日は憲法記念日ですね。 永井荷風は「断腸亭日乗」で、日本国憲法施行の日、ただ一言、以下のように記しています。 米人の作りし日本国憲法 、今日より実施の由。嗤ふべし。  おそらく永井荷風は、日本国憲法が発布、施行されたというその事実より、旧敵国がわが国を骨抜きにする目的で作った阿呆陀羅経を、その意味するところを理解せずに喜んでいる日本国民の不甲斐なさを嗤ったものと思われます。 しかし施行65年を経た今日、どのマスコミが行う調査でも日本国憲法改正に賛成するものは50%を超え、新聞社によっては60%ちかくにも上っています。  眼が覚めるのに65年もかかったことはそれこそ嗤うべきですが、冷戦下、憲法改正と言うだけで軍国主義者呼ばわりされたことを思えば、隔世の感があります。 今、みんなの党やたちあがれ日本、自民党、民主党などは基本的に憲法改正に賛成の立場。 社民党は護憲。 共産党は護憲のように思われがちですが、じつは当然のことながら、赤い憲法に改正したいというのが本音です。 公明党は今の憲法に条文を書き足す加憲。 今国会で憲法改正を発議すれば、三分の二を得ることができ、国民投票で過半数を制して...
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さみだれ

千葉県は朝からどんよりとした雲に覆われ、時折雨がぱらつています。 五月雨かな、と一瞬思いましたが、五月雨は陰暦の5月、今で言うと6月後半から7月前半にふる雨のことですから、私たちの季節感でいうと、梅雨をさしているものと思われます。 こういうことはよくあって、正月を初春などと言うと、真冬じゃぼけ、と思いますが、陰暦での正月は2月も後半ということですから、そろそろ梅が開き始めるかという頃。 初春という表現も頷けます。 してみると、下の藤原定家の和歌も、趣深く感じられます。 五月雨の 月はつれなき み山より ひとりもいづる 郭公かな 梅雨どき、月はつれないことにその姿を見せてはくれないが、山からホトトギスの鳴き声がして、趣深く感じられる、といったほどの意でしょうか。 では、下の蕪村の句はどうでしょうか。  さみだれや 大河を前に 家二軒 さみだれや 名もなき川の おそろしき 梅雨どきの自然の恐ろしさを静かに暗示して秀逸です。  幸いにして、雨は明日までで、あさってからはよく晴れるそうです。 明日からの4連休、後半が行楽日和と見えます。 小さな楽しみを、しっかりと楽しみましょう。蕪村句集 現代...
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クールビズ

今日からクールビズ。 私もノーネクタイ・ノー上着で出勤しました。 でもまだそんなに暑いわけでもないし、変な感じです。 ネクタイを締めないですむのは気楽で良いですけど。 クールビズというと、サラリーマン川柳にもよく詠まれていますね。 我が社では 部長のギャグが クールビズ  お仕着せの あわれ男の クールビズ  怒らない それが今年の クールビズ  購入費 高くついたり クールビズ  なかなか笑わせてくれます。  クールビズはまだ実際には定着していないのかなぁと思わせたのが、 全員が クールビズ着て 寒くて暖房ですかねぇ。 クールビズを無理強いされている感じで、なんでも横並びが好きなわが民族らしい光景と言えましょう。 寒ければ上着を着ればいいのに、クールビズ期間中だからって、社員一同打ち揃い、無理して薄着しちゃって るんですねぇ。 阿呆ですねぇ。これから本格的な夏が来て、冷房をなかなか入れてもらえないとなると、クールビズは絶大な威力を発揮するんでしょう。 にほんブログ村本・書籍 ブログランキングへ ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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花橘の

今日は馬鹿に暖かったですねぇ。 首都圏は軒並み25度を超える夏日だったとか。 もう季節は初夏なんですねぇ。さつきまつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする                             よみひとしらず 「古今和歌集」に所収の和歌です。 初夏の花の香に昔の人をしのぶなんて、洒落ていますねぇ。 五月雨に 物思ひをれば ほととぎす 夜深く鳴きて いづちゆくらむ                                 紀友則 こちらも「古今和歌集」に見られる初夏の和歌です。 五月雨の夜、ほととぎすの声を聞いて感傷的になり、ほととぎすや自分はどこに行くのだろう、と詠っています。 命の炎が燃え上がる季節であっても、感傷的になってしまう、わが国古典文学の特徴の一つでしょうか。 私は今日の暖かさを素直に喜んでいます。 3月5日に父が亡くなって一ヶ月半、体重が6キロも落ちてしまいました。 食事制限も運動もしておらず、食欲のままに食っているのですが、その食欲が落ちてしまったのです。 体重が落ちて寒さを強く感じるようになってきた頃あいでもあり、この暖かさは亡父がもたら...
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さる高貴なご一家の跡取り

今日、私が勤める研究機関に、さる高貴なご一家の跡取りが最新の研究成果をご視察におみえになりました。 私が勤める研究機関には、さる高貴なご一家の跡取りが年に2回くらい、ご当主夫妻が数年に1回訪問されます。 跡取りの奥様は何年も精神を病んでいて、いつも1人でいらっしゃいます。 寂しいですね。 ご当主夫妻は仲良く2人でお出ましになります。 いつも思うのですが、なんでここまで、というくらい、警備が厳重です。 そこいら中に千葉県警と皇宮警察のおまわりさんたちがいかつい顔で立っており、研究所内のマンホールやダクトは事前に安全を確認してから封印します。 我々日本人は、この高貴なご一家を大事にすること過剰に過ぎるように思います。 しかも分刻みのスケジュールで、下手にご下問もできないような雰囲気です。 時間が押しちゃいますから。 なんだか可哀そうになっちゃいます。 しかも視察の間、宮内庁やら皇宮警察やら研究所の偉い人やら、大名行列のようのじょろじょろ付いてまわって、なんだか滑稽です。 今日は10時40分から15時23分まで長時間ご滞在。 昼食は近くのホテルに頼んで用意してもらいます。 開かれた皇室という...
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穀雨

今日は穀雨。 田畑の準備が整った頃の春雨を指しています。 今日、首都圏はどんよりと曇っていますが、週末は雨が降るような予報が出ています。 穀物にとって実りの雨になってほしいものです。 春雨や もの書かぬ身の あはれなる  与謝蕪村  いかにも物書きらしい句ですね。 雨の一日、ものも書かずにのんびり暮らすものぐさの心地よさを詠んだものでしょうか。 あるいは、読み書きができないと雨の日は退屈だ、という意味でしょうか。 前者に軍配が挙がるでしょうねぇ 春雨の かくまで暗く なるものか  高浜虚子 これは素直に読みたいですねぇ。 春雨というのはびっくりするほど暗くなりますからねぇ。 今年は春の歩みが遅く、いつまでも冬を引きずっているような感じがしていましたが、少しづつでも、確実に、春は訪れているのですねぇ。蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)玉城 司角川学芸出版虚子五句集 (上) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店虚子五句集 (下) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店にほんブログ村本・書籍 ブログランキングへ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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ノーベル賞作家

1972年の4月16日、我が国で最初のノーベル文学賞を受賞した作家、川端康成が亡くなりました。 親交のあった三島由紀夫の割腹自殺から一年半後、作家72歳の春でした。 ガス自殺説では、老醜をさらしたくないがためであるとか、三島由紀夫を喪った喪失感であるとか、ノーベル文学賞受賞の重圧のためであるとか、甚だしきにいたっては、可愛がっていたお手伝いさんが辞めたからだとか、様々な憶測がとびかいました。 また、なれないガス暖房器具を自ら操作したため、誤って事故死したのだという説も有力です。 いずれにしろ、真相は闇の中。 ミステリアスでセクシャルな雰囲気が漂う美的世界を追い求めた作家には、むしろお似合いかもしれません。 川端康成という作家、数々の日本の美を詠う作品を残しましたが、じつは食うために少女小説も多く書いていて、これがなかなか面白いのですよ。 当時良家の子女に大人気だった雑誌「少女の友」に発表された「乙女の港」では、当時男女交際が破廉恥な行為とされていたことから、女学生の上級生と下級生が特別な友人関係を結ぶという、いわば擬似恋愛のようなS(sisterの略)という関係性を描いた小説は面白かっ...
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春雨の

通勤途中で観る桜、早くも散り始めています。 今週末は桜吹雪のようになっているでしょう。 散る花を涙とみるか死と見立てるかで、趣はずいぶん違ってきますね。 私は長いこと、散る桜に涙を見立ててきました。春雨の 降るは涙か 桜花 散るを惜しまぬ 人しなければ   大友黒主 この和歌は春雨を桜を惜しんで流す涙だと詠んでいます。 それはまさに桜という花の死を悼むものであったでしょう。 しかし私は、散る桜そのものが、桜にとって血の涙なのだと感じています。桜花散りぬる風のなごりには水なき空に浪ぞたちける   紀貫之 桜が散ってしまった後、その名残に花は空を舞って、波のように漂っている、という桜吹雪の猛烈さを、わりあいと静かに詠んでいます。 私にはそんな生易しいものではないように感じますが。 桜が散って、新緑の季節が訪れれば、一気に首都圏は東南アジアのような猛暑に襲われることになります。 今夏も節電が求められるんでしょうねぇ。 昨年は冷房運転を極端に短くし、仕事にならないような感じだったことを思い出します。 一年は繰り返しのようでいて、じつはすべてが初めてのこと。 平成24年の桜は初めてで、繰り返すこ...
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花祭り

今日は潅仏会。 花祭りとも称される、お釈迦様の誕生祝いの法要を営む日です。 私の実家はお寺ですので、毎年伝統にのっとって花御堂に誕生仏を安置し、甘茶をかけ、参拝客にも甘茶をふるまうお祭りを続けています。 それにしても、潅仏会がクリスマスなどに比較してあまり行われないのは、じつに嘆かわしいかぎりです。 わが国の文化は、仏教的無常観、神道の清明心、儒教の忠孝、土俗的な儀式などが渾然一体となって成り立っています。 わけても仏教は、その深い精神性から、わが国文化の中心と言うべき巨大なもので、仏教の知識なしにわが国の文芸や舞台芸術、古典芸能を理解するのは不可能です。 安岡章太郎の小説に、「花祭」という佳品があります。 成績が悪く、素行不良の僕が、中学の先生が住職を務めるお寺に入院?させられる話です。 思春期の男の子の、性の目覚めや様々な葛藤がユーモラスにつづられて、瑞々しい印象を受けます。 私自身が就職して独り暮らしを始めるまでお寺で生活していましたので、身につまされるというか、親近感を感じましたね。 安岡章太郎が、第三の新人などと呼ばれる一派にくくられ、なんとなく軽く扱われている感じがするのは...
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