文学

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悪母

昨夜は焼酎のロックをちびちびやりながら、サスペンス小説を読みました。 帯には、最恐サスペンスと謳っていましたが、それほど恐くはなかったですね。 春口裕子の「悪母」です。悪母春口 裕子実業之日本社 平たく言えば、ママ友同士の人間関係のゆがみを描いたものですが、LINEやらフェイスブックやらツイッターやらのSNSを駆使して嫌いなママ友を攻撃したり、一人だけLINEから外したり、なんだか陰湿なんですなぁ。 ママどころかパパですらない私には感情移入しにくいストーリーでしたが、一気に読んだということは、それなりに面白かったんでしょうね。 古今東西、女同士というのは問題が絶えないようです。 私も就職して25年、女性同士の関係性には苦労しています。 対立するグループの双方から悪口を吹き込まれたり。 幸い私は男なので、そういうのからは常に中立でいられはしますが。
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純平、考え直せ

昨日は雨に閉じ込められましたが、今日は暑さに閉じ込められました。 私は夏が一番嫌いです。 不快な季節がやってきましたねぇ。 今日も読書をしてすごしました。 奥田英朗の「純平、考え直せ」を一気に読みました。純平、考え直せ (光文社文庫)奥田 英朗光文社 文庫本で300ページほどですが、ページをめくる手が止められないほど、抜群に面白いエンターテイメントでした。 坂本純平は21歳、歌舞伎町を闊歩する下っ端ヤクザ。 歌舞伎町では、水商売のおねぃさんやオカマ、ホストにいたるまで、気の良い若者ということでマスコットのように扱われる人気者でもあります。 格好良い兄貴分に心酔して、何かと兄貴分の真似をしたがります。 ある時、親分から鉄砲玉を頼まれ、純平は躊躇することなくそれを引き受けます。 娑婆で3日間、豪遊しろと、親分と兄貴分から数十万円をもらいます。 三日後の明け方、敵対する組の幹部を撃ち殺す予定です。 純平は新宿プリンスホテルのスウィートルームに宿泊し、焼肉を食ったり鮨を食ったり。 で、三日間の間に不思議な出会いをいくつも経験します。 インチキ通販でオペレーターをする同い年のアバズレや、売り専門...
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浮世の画家

雨の土曜日。 昼寝をしたり読書をしたりして、静かに過ごしました。 読んだのは、日系英国人作家、カズオ・イシグロの「浮世の画家」。 1940年代後半の日本を舞台にした物語です。 主人公は、老いた画家。 戦前戦中、この画家は日本精神を鼓舞する画風で、たいへんな名声を得ました。 しかし戦争が終るや、彼のかつての功績は、むしろ軍国主義に迎合したものとみなされるようになるのです。 老いた画家に独り語りの手法で、物語は進みます。 戦後の現在が語られたり、修行時代が語られたり、栄光の時代が語られたり、さかんに話が飛ぶので、少々読むのに難儀します。 老いた画家は、晩年に到ってかつての名声を失いながら、その時々で信念に基づいて行動したことだと、過去を反省する様子は見られません。 ラストに到って、かつての同志が亡くなり、彼は若々しいサラリーマンたちの明るい笑顔を見ながら、新しい時代は祝福されたものになるだろうと、微笑むのです。 この独り語りの技法はかなり曲者です。 事実は事実として描かれず、必ず老画家のフィルターを通して語られるのですから。 読者はそれに戸惑いながらも、時代に翻弄された一個の老人の魂の遍歴...
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暑苦し

あつ苦し 昼寐の夢に 蝉の声 夏目漱石の句です。 今日の首都圏はどうやら猛暑日になる見込み。 事務室のなかは冷房が効いて快適ですが、いったん廊下にでれば、湿気を含んだ暑苦しい空気が澱んでいます。 いよいよ過酷な季節が始まったようです。 蝉ももうじき喧しく鳴き出すでしょう。 夏は苦手です。
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サウス・バウンド

奥田英朗の長編小説、「サウス・バウンド」を読み終わりました。 爽やかな読後感ですが、すぐに内容を忘れてしまいそうな感じもします。 小学六年生の次郎は中野在住。 両親と姉と妹の5人暮らしです。 で、父親の一郎というのがとんでもない男です。 元過激派で、警察でも有名な暴れ者。 逮捕歴もあります。 185センチの大男で、何より国家が大嫌い。 働きもせず、小説なんか書いています。 母親は喫茶店を経営し、一家を支えています。 母親は夫の一郎に心酔しているご様子。 中野では、不良少年と次郎が戦ったり、友人と遊んだり、少年小説の趣を呈しています ところが、父親が突然西表島に移住して自給自足の生活をする、と言い出し、実際に一家は引っ越します。 ここでもリゾート開発をめぐって一郎は大活躍。 ついには騒ぎを起こし、子供たちを置いて夫婦で波照間島に逃げてしまいます。 この小説で印象深いのは、次郎という少年の成長とともに、沖縄の歴史がさりげなく語られることでしょうか。 かつては琉球王国に属していなかった石垣島と周辺の島々が琉球に征服され、その琉球は薩摩藩に侵略され、ついには日本国の一部になってしまう。 いつの...
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