思想・学問 人間以上
五千円札で知られる新渡戸稲造。 彼がクリスチャンであったことは有名ですが、神秘主義的な側面を強く持っていたことはあまり知られていないのではないでしょうか。 彼がキリスト教に入信したころ、神というものをどう捉えればよいのか悩んだと伝えられますが、「神の存在と霊魂の不滅であるが、この事は唯信ずべきものにして、二十年考えても、二千年考えても、解することのできぬものである」というキリスト教神秘主義の言葉に出会い、悩みは氷解したそうです。 イワシの頭も信心から、と言いますから、信じるほかない、と達観したんでしょうかねぇ。 また、彼はキリスト教神秘主義と東洋思想との一致を見出し、「必ずしも神と限るものではない。仏教の世尊でも、阿弥陀でもよい、神道の八百万の神でも差支えない。(中略)ただ人間以上のものがある。そのあるものと関係を結ぶことを考えれば、それでよいのである」と述べています。 そして彼は、亡くなった祖父の伝言を仲介者と称する巫女から聞いたり、交霊会に出たりして、神秘主義的な傾向を強めていきます。 ついには、神の証としての光・声・言葉を見たり聞いたりすることが出来たと言います。 後には、小宇宙...