思想・学問 「見せかけ」と「大切」
思想の左右や穏便・極端を問わず、現代日本社会を批判するときに、よく使われるのが、見せかけの豊かさに騙されるな、という言説です。 昔に比べておいしい物がたくさん食べられることや、住環境が住みやすくなったこと、車や家電、パソコンなどに囲まれ、生活が便利なことを指して、見せかけの豊かさという表現を使うことが多いようです。 しかしこれはずいぶんと傲慢な言い方です。 自分は豊かだ、と思っている人に、お前は本当は豊かではない、と言っているようなものです。 余計なお世話。 豊かさを感じるための指標としては、まず健康、収入、円満な家族、そして自由になる時間、それとその時間を有意義に過ごすための趣味など。 これらが満足すれば、それは豊かな生活と言えるでしょう。 それ以上に大切な何かがある、というような物言いをする人がいたら、眉つばだと思っていいでしょう。 大切な何か、というのは、神社の奥に鎮座ましましている石ころだったり、薄汚い鏡だったり、要するに糞の役にも立たないけどある共同体でこれはご神体、と定めて、別に信じちゃいないけど、習慣だから拝むのさ、という風に扱われている物体と同じようなものでしょう。 大...