思想・学問

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引きずりださないで

病気休暇から抜け出して、9ヶ月目に入りました。 最近私が気になるのは、引きこもりと呼ばれる人たちです。 私も病気休暇の最初の頃は、ほぼ引きこもりだったわけですから。  内閣府の調査では、現在70万人の引きこもりがおり、予備軍は155万人いる、と推計しています。 これは驚愕の数字ですね。 しかもこの内の多くは親元で暮らし、親の収入で食っているわけです。 甚だしきにいたっては、60代の引きこもり男性が90代の親の年金で暮らしているとか。  私は休職していた間、給料をもらっていましたし、定期的に職場と接触し、復職へのロード・マップがありました。 それでも、このまま良くならないんじゃないか、とか、もう退職したほうがいいんじゃないか、とか、もう十分に生きたからそろそろ楽になろうか、とか、負の感情に支配されることがしばしばでした。  それを思うと、無職で十年も二十年も自宅に引きこもっている人の心境は、察して余りあるものがあります。 きっと家族や親類、ご近所から心ない言葉をかけられることもあったでしょう。 また、マスコミなどが偏見に満ちた報道をし、傷つけられたことも数知れないでしょう。 毎日が長く、...
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恋愛は利己的?

某有名女子大学の心理学の講義で、恋愛は本質的に利己的である、という命題についての討論が行われたそうです。 冒頭、この命題の是非について尋ねたところ、是とする者が9割、非とする者が1割だったとか。 この討論に参加した女子大生の圧倒的多数が恋愛は本質的に利己的である、と感じていたわけです。 好きになるのも自分の都合、告白するのも自分の都合、プレゼントを贈るのも相手に好かれたいという自分の都合、自己犠牲的な行動にでるのも相手に好かれたいという自分の都合。 すべての行動が自分の利益にかなうかどうかで行われている、というわけです。 なんか、元も子もないというか、ずいぶん冷めちゃってますねぇ。 若い女子大生ならもう少し恋愛に夢や希望を持っても良さそうなものですが。 この論法を使うと、あらゆる行為が利己的になっちゃうんですよねぇ。 キリストが磔になったのも、己の信念を貫きたい、という自分の都合。 特攻隊員が志願したのも自国の戦局を有利にしたいということと、英霊として祀られたいという自分の都合。 自殺するのも憂き世から逃れたいという自分の都合。 でもこれ、なんか違和感を感じます。 わずかでも利己的な感...
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儀式

日本で大人になるということは、どことなく曖昧な感じがしますね。 それというのも、日本では、大学に進んでも、就職しても、実家に住み続ける人が多いからです。 国によって様々な事情があるのでしょうが、例えば米国などでは、就職しても親元にいるというのは、異様なこととされているようです。 いわば親元を離れるということが、大人になる儀式ということでしょう。  ある社会学者が、日米の大学生にアンケート調査を行いました。 大人として認められる条件を問うものです。 米国はシンプルでした。 仕事をして社会に貢献すること、家事などの家庭生活に貢献すること、教会などの地域社会に貢献すること、この三つです。 日本ではこの三つのほかに、親の面倒をみるだとか、ご近所付き合いをするだとか、親族としての役割を果たすことだとか、色々とややこしい条件をつけています。 これは親と同居するかもしくは近所に住むことが必要であり、ここいらあたりに就職しても親元を離れないことを当然視する理由があるかと思います。 また、同じ学者の調査によると、米国の教育においては親元を近い将来離れることを前提にカリキュラムが組まれており、その際一個の...
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共感覚

共感覚というものをご存知でしょうか。 通常の感覚の他に、別の感覚を感じてしまうことです。 例えば文字に色がついて見えたり、絵を観ると音楽が聞こえたり、食感に形を感じたりすることで、これは極めて鮮烈に感じるそうです。 多くは子どもの頃に自分は他人とは違う感覚を有しているらしい、と気付き、隠そうとする、とのことです。 精神疾患や知的障害と異なり、日常生活に不便は感じないため、障害とは見なされず、病院を訪れる者はまれだということです。 卑近な例でいえば、女性たちの声援を黄色い声などと呼びますが、共感覚者は比喩的にではなく、実際の知覚として、その声を聞くと黄色が見えてしまう、ということです。 有名人では、宮沢賢治や、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アルチュール・ランボーなどが知られています。  ランボーに「母音」というソネットがあります。  A は黒、E は白、 I は赤、U は緑、O はブルー  母音たちよ、何時の日か汝らの出生の秘密を語ろう  A は黒いコルセット、悪臭に誘われて飛び回る  銀蝿が群がって毛むくじゃら そのさまは深淵の入江のようだ  E は靄と天幕の爛漫さ、とがった氷の槍  白衣...
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モラル・パニック

いつの時代にも、時代が迫害するものが存在しますね。 ヨーロッパの魔女狩りや同性愛、ジプシー、米国のレッド・パージ、わが国では戦前の共産主義者への迫害。 近頃感じるのは、小児愛への過剰な敵視を感じます。 小児愛への敵意は、小児=18歳未満とされるようになって、極まった感があります。 民法では女性は16歳から結婚できるのに、変ですね。 少年少女の恋愛を扱った文学や映画は数知れず。 また、少女に惑わされる中年男を描いた芸術作品もたくさんあります。  もちろん、小児愛が原因で児童虐待や強姦などの犯罪を犯した者は厳罰に処すべきです。 「戦場のピアニスト」で有名なロマン・ポランススキー監督は米国在住のとき13歳の少女を強姦し、有罪判決を受けましたが、フランスに逃亡。 かの地で市民権を得て堂々と暮らしています。 これは許されないことです。 また、「テス」の主演女優、ナスターシャ・キンスキーとは、彼女が15歳のときから肉体関係を持っていたのは有名な話ですが、こちらは男女合意のもとですから、例え15歳といえども問題ないと思っています。 私は現在の先進国では、小児愛をめぐって一種のモラル・パニックが発生し...
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父親不在

最近NHKで今年の大河ドラマ「江」の宣伝をしていますね。 江は秀吉の命令で三回もほとんど会ったことのない男と結婚させられたとか。 しかしそれは時代標準であり、ご本人はなんとも思っていないようです。 秀吉は江の父親ではありませんが、父親的役割を引き受け、父親として三回の婚姻を進めたのでしょう。 かつて、父親は家族の上に君臨する権威者であることを求められました。 その役割は、社会性や協調性を厳しく子に教え、強さを演じ、優しさを装い、背中で語ることでした。  昔のドラマでちゃぶ台をひっくり返すシーンがでてきますが、あれ、本当にあちこちで見られた光景なんですよねぇ。 何人か子どもの頃にそういう目に会った友人を知っています。 私の父はちゃぶ台をひっくり返すことこそしませんでしたが、怒ると鬼の形相でした。 不登校とかひきこもりが社会問題になるようになって、よく父性の喪失と母性の過剰が原因ではないか、という言説を目にします。 父親は仕事に追われてほとんど家にいない、母親は過剰な愛情を注ぐ、その間子どもは社会性を身につけることが不可能になり、自らに閉じこもる、というわけです。 ことはそう単純ではありま...
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勇ましい

新年早々某新聞に勇ましい対談が掲載されていました。 女性評論家と拓殖大学総長の対談です。 平たく言えば、憲法改正して軍事力・外交力を高めよ、ということですが、暗雲たちこめる現代日本にそれを求めるのは困難なことでしょう。 さはさりながら、聖徳太子の時代から、元寇、朝鮮征伐、日清日露、第二次大戦と、日本は勇ましかったのだから、時代の空気が変われば憲法改正や核武装なんて、あっという間になしとげちゃうんでしょうねぇ。 そういえば前世紀の終わりころでしたでしょうか、アメリカの学者、ハンチントンが「文明の衝突」なる論文を発表し、話題になりましたね。 世界の文明を大きく8つに分けて印象的でした。  すなわち、 中華文明 ヒンドゥー文明 イスラム文明 日本文明 東方正教会文明 西欧文明 ラテンアメリカ文明 アフリカ文明 です。  この中でわが国だけが一国で一つの文明として挙げられ、違和感を覚えます。 中華には入らないんですかねぇ。 西欧文明に対抗もしくは敵対する文明として中華文明とイスラム文明を挙げており、日本文明は孤立しているので、状況しだいで敵対もし、協力もする、とか。 わが国は戦後一貫して西欧文...
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二卿事件

「龍馬伝」やら「坂の上の雲」やら、最近幕末から明治にかけてのドラマがよく放送されます。 やることなすことうまく行ったあの時代を懐かしんでいるかのようです。 しかし一歩間違えれば列強の食い物にされ、植民地としてばらばらに統治されていたかもしれません。 細い綱を渡るように、慎重に前に進んだことでしょう。 私が子どもの頃から不思議に思っていたことがあります。 京都に東を付けると東京都。 本家が京都なのは論を待たないところです。 しかも平城遷都や平安遷都と異なり、江戸に都を移し、東京と名称変更する、という宣旨なり法律なりがないのですよね。  明治元年に明治大帝が東京に行幸され、一度京に還幸された後、翌明治2年にふたたび東京に行幸、それ以来、京へ行くのは還幸ではなく、行幸と呼ぶようになりました。 京都御所はうっちゃって、江戸城跡を皇居にして、各種省庁、国会、軍司令部などを東京に固めて、いつの間にやら東京が首都になっちゃった、という状況が、今日にいたるも続いています。 しかも和歌を詠んだり蹴鞠をしたり、寺を作ったり、といった日本文化の中心であった天皇が、東京移住とともに大元帥陛下におなりあそばし、...
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ポアンカレ予想とドグラ・マグラ

単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である。 有名なポアンカレ予想です。 1904年にアンリ・ポアンカレが予想して以来、多くの数学者がこれを証明しようと躍起になってきました。 なかにはのめり込みすぎて精神に変調をきたした数学者もいるとか。 怖ろしいことですね。 この謎を解いたのが、ロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。 その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まりましたが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまいました。 彼は何を見てしまったんでしょうね。 人間の能力を超える業績をのこした時、そこからこの世で見てはいけないものが見えてしまい、隠居したり、自殺したり、精神病に成る人がいますね。 彼もその類だったのでしょうか。 解こうとすると気が狂うのがポアンカレ予想なら、読めば気が狂うと言われたのが夢野久作の「ドグラ・マグラ」ですね 謎が謎を呼び、ぐるっと回って元に戻る、不思議な構成で、私は楽しみました。 私は根っからの文系人間で、数学などは大嫌いですが、数式で会話する数学者同士を見ると、格好いいなあ、と憧れます。 国文学の世界で、著名な数学...
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全体

詩人、江南文三は戦時中、「法華経」をわかりやすい現代語に訳した「日本語の法華経」という書物を発表しています。 噛んで含めるようなわかりやすい訳で、これなら誰でも「法華経」を簡単に勉強できるのではないでしょうか。 さて、その前文に、第二次世界大戦(江南文三は大東亜戦争と記しています)の意義について書かれた一文があります。 それは今次大戦が全体主義国家と個人主義国家との戦争である、と。 全体主義は社会全体のことを考え、個人が犠牲になるのもいとわない生き方で、個人主義は自分さえよければよく、社会全体のことなどどうでもよい、という生き方なので、全体主義のほうが上等であり、必ず全体主義側が勝利しなければならない、と説いています。 これを読んだとき、びっくりしましたね。 私が歴史を学んだのは、米ソ冷戦時代。 全体主義を称揚するような言説に触れたことはありませんでした。 しかしおそらく、全体主義がよい、というのは多くの国民に支持されていたのでしょう。 だからこそ政治家でも政治学者でもない詩人が、宗教書の前文に全体主義の勝利を望む一文を寄せたのでしょう。 そう考えてみると、現在ある制度の中では比較的マ...
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デザイナー・ベビー

最近出生前診断とやらで、胎児のうちに遺伝的な病気や障害の有無がかなりの程度まで判定できるようになり、そのために異常がみつかった子を堕胎する例が増えているやに聞きました。 さらには着床前診断というのがあって、受精卵のうちから遺伝子情報により、将来の遺伝病などのリスクが分かるとか。 その場合妊娠しないという選択肢があり得ます。 障害児を育てる可能性が高いと分かった時、親が堕胎の判断を下してしまうのも理解できますが、なんとも嫌な感じです。  ナチス・ドイツが行った優生学思想に基づく精神障害者や同性愛者の大量虐殺を思い出します。 2000年、ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈博士は、教育改革国民会議で、いずれは就学時に遺伝子検査を行い、それぞれの子供の遺伝情報に見合った教育をする形になって行くだろう、と言って物議を醸しました。 これは要するに遺伝的要素だけでエリートを選別し、特別な教育を受けさせようということで、ナチの優生学思想と根本で通じるものです。 古くはプラトンも「国家」で、優秀な男女を結婚させて優秀な子どもたちを支配階級として教育し、その他大勢は支配されるがままになる羊たちの幸福を与え...
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私は八年ほど前に緑内障と診断され、毎日眼圧をさげる目薬を打っています。 幸い治療のおかげで半年に一度の視野検査結果をみても、八年前から症状は進行していません。 元々はひどい疲れ目で眼科を受診したのですが、そのとき思いもかけず緑内障が発見されました。 あのとき眼科に行って良かったと思っています。 一方疲れ目は相変わらずです。 パソコン仕事が多いのと、人よりまばたきの回数が少ないため、目が乾きやすいためで、気休めに涙の成分でできた目薬を処方されただけで、改善にはいたっていません。 目というと、目は口ほどに物を言い、とか、目が点になる、とか、目をむく、とか、白眼視とか、色々な慣用表現がありますね。 一方精神病の世界では人の視線が気になる視線恐怖とか、自分の視線が気になる正視恐怖とかがあって、目が人に与える印象は強烈です。 例えば他人をにらみつければ何も言わなくても敵意が伝わり、目が笑っていれば心を許すでしょう。 オッドアイと呼ばれる左右で色が違う目を持った人がいるそうですね。 有名人では奥菜恵がそうらしいです。 だから「呪怨」や「シャッター」などのホラー映画で使われるんでしょうかね。 オッド...
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死者に鞭打つ

その昔、尾張藩主、徳川宗春は将軍家の怒りを買い、隠居謹慎、死後は墓石に縄が打たれるという恥辱を味わったとか。 死者に鞭打つとはこのことですね。 しかし、なんで死者に鞭を打つんでしょうね? 死人の墓石に縄を打ったところで、ご当人は死んでいるので痛くもかゆくもないでしょう。 あるいは遺族を苦しめて意趣返ししようというのでしょうか。 他に、石川淳が永井荷風の死後、「敗荷落日」で荷風山人を激しく責めていたことを思い出します。 一般には、例え犯罪者でも、死後、その人を侮辱するような言説は控えるのがマナーとされているように思います。  死者に鞭打つことが一種の禁忌になっているのは、恐らくは死後存在への怖れだけでなく、死者は生物学的には生きていなくても、物語としては生き続けているからではないでしょうか。 例えば親が亡くなったとして、子は何かの折に親を思い出し、こんな場合はきっとこんなことを言っただろう、と想像します。 すると親を憶ええている者が存在するかぎり、親の物語としての生は終わりません。 秀吉や信長などは、まさに物語のなかで営々と生き続け、サラリーマンは徳川家康を好む者が多く、経営者は織田信長...
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自主規制

東京都青少年健全育成条例の改正案が可決されましたね。  法に反するような性行為を不当に賛美・誇張する漫画やアニメを規制するのだとか。 嗤うべし。 人間が考え、ひねり出した作品をお上が規制する愚は、古来、あまりに多く行われてきました。 それを繰り返そうというのですね。 大体不当に、とは何事か。 それはお上が恐れるほど高い芸術性と影響力を持っている作品としか、私には思えません。 しかも出版社や書店に自主規制を求めるとか。 世に自主規制ほど馬鹿馬鹿しいものはありません。  昭和陛下が危篤に陥ったとき何が起きたか。 歌舞音曲の自主規制。 優勝した野球チームのビールかけの自主規制。 挙句の果てには、「みなさん、お元気ですか」と井上陽水が語りかける車のCMで、その部分を無音にしてしまいました。 天皇が危篤のときは、「お元気ですか」という日常の挨拶すら自主規制してしまうという愚。 人間は日々、小さな差別や犯罪的行為を犯しながら生きています。 そうしなければ生きられないとも言えます。 そういう人間が作り出す表現は、必ず差別的で犯罪的です。  例えば私という言葉を発したなら、私以外の他者と私を区別もしく...
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非暴力

非暴力といえば、インドの偉大な魂、ガンヂーですね。 当時世界最強の大英帝国に対して非暴力で立ち向かい、インド独立を果たしたのだから驚くべき偉業です。 聖者でなければ出来ない仕事です。 しかし生身の人間が聖者になどなれるのでしょうか。 聖者というのは、内部に巨大な矛盾を抱えた存在にしかなりえないのではないでしょうか。 例えばガンヂーは、インドの父となりましたが、四人の実子の父であったのか、また妻の夫であったのか、疑問です。 ガンヂーは38歳のとき、妻との性的関係を断つことを宣言し、妻子には、家族ではなく、非暴力運動の同士となるよう求めました。 ここに、聖者ガンヂーの、目的のためならば家族すら捨て駒にしようという、悪魔の顔を見ることができます。 とくに長男ハリラルは悲惨です。 英国留学の夢を父によって断たれ、清貧・禁欲の生活を求められます。 ハリラルはそれを断って結婚し、女色と酒に耽ります。 借金とりから逃れるため、乞食の姿でインド中を放浪し、父、ガンヂーの死に目にもあえず、ガンヂーの死後半年で、哀れな生涯を閉じることになります。 あまりに偉大な父をもってしまった平凡な息子の悲劇です。 大...
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