文学 五月雨
今朝は小雨が降ってじめじめしていましたが、晴れてきました。 昨日ほど暑くもなく、まずまずの一日だったのではないでしょうか。 五月雨の 雲まの月の はれゆくを しばし待ちける 時鳥かな 「新古今和歌集」所収の二条院讃岐の歌です。 五月雨というと五月の雨を思い浮かべるかもしれませんが、旧暦は現在の暦と一ヶ月半くらいずれていますので、これはちょうど梅雨どきの雨を指す言葉です。 梅雨どきの雨がやんで晴れてきて、月が出るのをホトトギスが待っている、というほどの意でしょうか。 五月雨に 花橘の かをる夜は 月すむ秋も さもあらばあれ 「千載和歌集」に見られる崇徳院の歌です。 梅雨どきの雨が降る中、橘の花が香る夜。こんな夜には、月が曇りなく輝く秋さえどうでもよいと思える、といったほどの意と思われます。 梅雨というとじめじめして不快だ、というのが現代人の常識であり、冷房の効いた部屋で快適にのんびり過ごしたい、というのが大方の意見でしょう。 しかし空調が普及したのはここ数十年ばかりのこと。 圧倒的に長い間、日本人は風鈴の音に涼を求めたり、襖や障子をすだれに代えたりして、過酷な夏を乗り切ってきました。 そ...