2013-07-16

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文学

読了

村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読了しました。 このところ、あまりにも長大な大ドラマを紡いできた作者が、久しぶりに、それほど長くない、物語というより詩のような作品を残したという意味で、作者は静かに、衰えの道を歩んでいるのかもしれません。 おそらく、多くの評論家は、これを失敗作と貶すでしょう。 物語としては破綻が目立つし、ラストも中途半端なものです。 しかし私は、失敗作が好きです。 なんとなれば、失敗作にこそ、物語作者の本質が炙り出されると思うからです。 多崎つくるは、高校時代、完璧な男女5人のグループの一員で、それは36歳になった今も、彼を郷愁と苦痛にいざないます。 その5人は、多崎つくる以外、全員、色が入った名前を持っていました。 例えば赤松だったり、青海だったり、そういうことです。 四人はすべて簡便に、アカとかアオとかいうあだ名で呼ばれます。 しかし多崎つくるだけは、つくる、と呼ばれるのです。 5人は名古屋で高校時代を過ごし、それはこの上もなく幸福な短い時期でした。 大学進学にあたって、多崎つくるだけが東京に出、ほかの4人は名古屋に留まります。 そして大...
社会・政治

核実験

今日はわが国及び世界にとって、悲しむべき日です。 米国が1945年に、ニュー・メキシコ州において、人類初の核実験に成功したのです。 マンハッタン計画と呼ばれたこの悪魔の計画の成功後、わずか一カ月も経ずに実際に使用されました。 言わずと知れた8月6日の広島、8月9日の長崎への原爆投下です。 もちろん、核兵器については、米国のみならず、わが国もドイツも極秘裏に開発を進めていました。 しかし最初に核実験に成功したのが米国であり、実際に使用したのも米国でした。 その後、核兵器のあまりの破壊力の大きさゆえ、実際に使用することはできなくなりました。 激しい米ソ冷戦期、キューバ危機に際しては米ソ両政府が全面核戦争を覚悟したと伝えられますが、核兵器への恐怖から、ぎりぎりのところで回避されました。 その後核兵器はどんどん増強されましたが、実際に使用されることはなく、事実上、使えない兵器となりました。 それもこれも、広島と長崎への投下によって、言わば日本人をモルモットにすることによって得られた教訓のおかげだと言って良いでしょう。 しかし恐怖による平和というのは、人間性に合致しているものらしく、全面核戦争は...
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